「DEATH」の空は、暗いだけで終わりません。二つの塔のあいだに、最初の光が入ります。
騎手の進む先は夜の続きではなく、夜が磨いた小品のように光りはじめる境です。冠は落ちています。落ちた冠は、もう頭に戻すものではありません。光が縁だけを拾い、それがかつて何であったかを、静かに見せます。終わりは、価値を消すのではなく、価値の置き場所を変えます。
古い工房では、小さな鈴や指輪や杯の縁を、夜明けの窓辺に並べて点検しました。夜のあいだ煤や指紋に隠れていた傷が、最初の光でだけわかります。直すべきもの、もう使わないもの、誰かに渡すものが、同じ卓の上で分かれます。ローマの葬送では、死者の口に小さな片子を置く習慣がありました。川を渡る渡し賃だと言われます。その小品は、こちら側とあちら側の手続きを、一つの物にしたものです。
地理は、塔のあいだの道で足ります。
道の石は冷えています。
その石の上に、夜露が光を受けて粒になります。
遠くの山はまだ名を持ちません。
近い杯の縁だけが、昼の仕事を思い出させます。
今日の幸運は、大きな相続でも、突然の報奨でもありません。
夜を越えたものの縁が、見えるようになることです。
引き出しの奥の指輪を、布の上に一列に出す。
使っていない鈴があれば、一度だけ鳴らして音を確かめる。
杯や椀の縁を、窓の光にかざして欠けがないか見る。
昨日の冠のように、肩書きや予定を一つ、卓の端へ下ろす。
DEATHは、光が来る前にすべてを捨てろとは言いません。
光が縁を拾ったとき、どれを次の朝へ渡すかを選べ、と告げるカードです。
今日のラッキーカラーは、ゴールドです。
Lucky Color: Gold — #FFD700塔のあいだの光を、大きな太陽として見ないでください。
杯の縁に乗った光を見てください。今日の幸運はそこにあります。