石の台座に腰を下ろし、天井の低い部屋で人は思考し、光の先に手を伸ばす。壁の隅には古い燭台、そこから導かれた火は、天井の模様や床の影を波立たせる。床を這う影は絡まり合い、いくつもの形を作り、やがて一匹の蛇のような形となる。蛇は古代の神殿で人知れず封じられてきたもの、時に知恵を、時に欲望そのものを象徴する。薄暗い空間にある鎖は、しっかりと体を拘束しているようで、少し手を伸ばせば外れそうなほどに緩やかに垂れている。その鎖は束縛の象徴であると同時に、台座の上では道具となり、時に自らの選択で手放せるものとなる。
この空間の奥、古の王が眠ったと語られる大地の裂け目には、時折深い霧が流れ込む。湿度を帯び、重たく澱んだ空気の下、祭司たちは葡萄酒を注ぎ、香の煙を天に送る。葡萄の房がたわわに実る丘の斜面、夕陽が落ちる時刻、僧衣をまとった人々の影が長く伸びる。その衣は古の時代、地中海に面した港町で王や司祭たちが身につけたもの。交易船が運んだ絹や羊毛の布が、やがて神殿や劇場、裁判所など、様々な権威の場で用いられた。都市国家が栄えた頃、豊かさの象徴としてもてはやされた色と重なり、錬金術師や物語の語り部、ぶどう畑で働く人々の中にも好まれた装いとなる。
遠い東方の山岳地帯、霧に沈む都市で香が焚かれる大聖堂では、朝の祈りが終わる頃、窓辺にこの色の布がかけられる。霧が晴れ、光が差し込むと、その布の端は小さな王冠や杯、古い写本の装丁に用いられてきた染料の色を思わせる。天候が荒れる夜、船乗りたちは港の酒場で葡萄を絞った酒を口にし、外の雷鳴をよそに語り合う。古い魔法書の挿絵にも、密やかにこの色が描かれている。あるいは香の煙が立ち昇る儀式の祭壇、葡萄の枝が絡まる祭具、遠い昔の王たちの衣装の中に、密かに込められた力の象徴となる。
今日の暮らしの中で小さく手を動かすとすれば、夜の帳が下りるころ、葡萄やベリーを使ったデザートを作る。古い本の表紙を撫でて、その手触りに静かな力を感じる。布地屋で、やや重みのある深い色調の布を手に取り、光の角度で見え方が変わることに心を留める。あるいは、古い映画に登場する劇場や寺院のシーンを静かに鑑賞し、かつての物語の中に息づく色の存在を見つける。これらはどれも、目に見える欲望が道具となる瞬間の延長にある。
今日のラッキーカラーは、パープルです。
Lucky Color: Purple — #800080目に見えるものの奥にある力を、静かに受け止める一日に。