陽炎の立つ広野、真昼の静けさ。かつて大地を照らした希望の火は、そのあまりの強さゆえに、すべての色彩を遠ざけ、眩しさの奥で時を止める。ペルシャの乾いた風が古の絨毯に砂を重ねるように、光は景色から陰を奪い、道のりに輪郭だけを残す。かつて商人が旅したシルクロード、遠い昔の隊商がラクダに荷を積み、乾いた靴で歩いた足跡は、いまや灰のように消えかけている。
ギリシャ神話で太陽神が駆け抜けた轍も、年月とともに埃に覆われ、その眩しさは誰にも真実を見せなくなった。エジプトの宮殿で陽光を避けて掛けられた薄布、砂漠の民が日差しから身を守るためにまとった衣。祝祭の余韻が消え去った後の静かな舞台、残された舞踏靴には砂が入り、かつての喜びも遠ざかる。記憶のなかの港町、帆船の帆は日差しを浴びて色を失い、潮風で柔らかくなった亜麻布のように、手のひらにしっとりと馴染む。
遥かフランスの郊外、朝焼けに照らされて並ぶ古いパンの店。窯で焼かれたパンの表面は、かすかな焦げ目とともに、土の香りをたたえて並んでいる。乾いた畑に残る麦藁帽、ローマの農夫が夏をしのぐために被ったその形は、やがて家族の食卓でパンくずを受け止める敷布となる。オランダの画家が残した静物画、テーブルには穀物の束と陶器の壺、そして焼き菓子が載せられている。過ぎ去った豊作の日々を思い起こさせる、素朴な温かさ。
空を見上げると、雲ひとつない晴天。けれどもその光は、時として目を細めさせ、心の奥に静かな渇きを残す。コットンのクロスでゆっくりと窓辺を拭う。使い古された洋書のページを一枚めくる。籐の椅子に腰掛けてカモミールティーをすする。小麦の香るパンを手でちぎり、陽だまりの中でひと口食べる。いずれも、旅の終わりにそっと残るやさしさ。
今日のラッキーカラーは、アンティークホワイトです。
Lucky Color: AntiqueWhite — #FAEBD7乾いた光の中でも、静かな温もりが見つかりますように。