火の松明が薄闇の中で揺らめき、あたりを照らす。石の台座には人々が立たされ、彼らの首には鎖がかけられている。その鎖は決して絡み合っていない。少しの勇気で自ら外せるはずなのに、ただその重みと手触りを感じながら、誰もが足元に意識を落とす。松明の炎は古の洞窟画を浮かび上がらせる。そこには、狩人が手にしていた袋や、遠いオアシスを目指す旅人の腰に結びつけられた小さな荷物、山の修道士が背負う籠、交易所に積まれた大地の恵みが描かれている。
かつてメソポタミアの神殿で捧げられた献げ物の山には、遠い地で乾かされた果実や、舟で運ばれた塊があった。土地の熱と湿り気を吸い、長い旅路を経てたどり着いたその塊は、王や司祭の宴の卓上に置かれる。古代から人は、苦味や甘味、重さや粘りを持つものに、神秘と祝福を見出してきた。新大陸の森の奥で採られる実は、香気を放ち、舟乗りたちの間で富と交換された。日の射す高原で作業をする人々の指先は、土とともにそれを撫でる。熱砂の道をいく商人の腰袋には、祭の日の贈り物として束ねられたそれが入っている。
何百年も積み重ねられた人の営みと交換、その中で本来の姿を変えたものは、やがて都会の工房で人の手を経て、味や形をもつ贅沢な菓子へと姿を変える。祭りの日、子供たちが両手で受け取るその包み、静かな午後に湯気の立つ飲み物とともに皿に載せられるひとかけのかたまり。冬枯れの並木を歩くとき、外套のポケットに一つ忍ばせたそれの感触が、歩みを温めることもある。鎖は手の中でほどけ、束縛ではなく、選びとる力として現れる。
今日できる小さな動作を思い浮かべる。お気に入りのマグカップに、南の島の香りを連想させる飲み物を注ぐ。棚の奥にしまっていた贈答品の包みをそっと開け、ひとくち口に含む。旅の写真を一枚選び、遠い土地を思い浮かべながら静かに眺める。夜の帳が下りたら、机の引き出しに手を伸ばし、ほのかな香りを確かめる。それらはすべて、束縛ではなく、ひとときの自由を感じさせる手段となる。
今日のラッキーカラーは、チョコレートです。
Lucky Color: Chocolate — #D2691E小さな選択が、あなたの手を温めてくれる一日となりますように。