足元を見ずに踏み出す者の背に、過ぎた自信と無垢な期待が混ざる。古い伝説では、少年が谷間の霧に惑わされて、導きもなく一歩を踏み外すという。しらじらとした朝もやの中で、道標の代わりに朽ちた木の枝が転がる。旅人の靴音は湿った草に吸い込まれ、どこまで歩いたのかも確かめぬまま、遠く低く犬の遠吠えを聞く。かつて、北の大地で羊飼いたちはこの時間に羊毛を紡ぎ、霧雨が羊たちの背に降りる間、火の気のない小屋で手を止めず働いた。命綱となる杖の感触を頼りに、彼らは足元の茂みを探る。見えぬ穴や石を気にせず進んだ者は、やがて冷たい風に肩をすぼめ、薄闇の中で迷うのだ。
古いヨーロッパの町並みには、建物の壁を這う蔦の葉さえも、夜明けの靄に隠される。修道院の僧が祈りの合間に窓の外を見やれば、空と地面の境がぼやけ、鐘楼の鈴が低く揺れる。農村では、朝一番の牛乳がまだ温かみを持ち、食卓のキャンバス地のクロスの上に、かすかな露の跡が残る。学校に向かう子どもたちの手には、リネンのハンカチ、赤ん坊を包む産着、夜更けに母が縫い上げたカーテン、そのすべてが淡く透き通るような布の質感を持つ。遠い極北の村では、冬の終わりに氷原を覆う霞のような空が広がる。そこでは犬ぞりの使い手が視界のきかぬ雪煙の中、音だけを頼りに進路を確かめる。
近くの公園や庭先では、朝露に濡れたテーブルクロスを軽くたたみ、ガラスのカップに水を注ぐ。天気が不安定な日は、薄いレース編みの布を窓辺に吊るし、柔らかな光を部屋に招くのもひとつの工夫。手元にある羊毛のマフラーやリネンのハンカチを、今日一日の同行者として選ぶのも良い。晴れ間を待ちながら、まだ温もりの残るカップでひと口のミルクを味わうと、霧が晴れていくような感覚がやがて静かに訪れる。
今日のラッキーカラーは、ゴーストホワイトです。
Lucky Color: GhostWhite — #F8F8FF迷いもやがて晴れます。静かに、足元を確かめて。