Colors for the Fool

タロットで占う、今日のラッキーカラー

カードを引く / 塔

塔のマルーン。中央の鏡に色が映る絵

マルーン

THE TOWER · Maroon

逆位置 · #800000

崩れを先送りするとき、塔の頂きは雲を突き、見上げる者に威厳の幻を与える。だが、内にはすでに裂け目が走り、石と石の隙間には夜風が忍び込み、かつての宴の声も今は囁きに変わる。バビロンの神話で、天まで届くと信じられた建築物は、言葉の混乱とともに崩壊へ向かう。時間の流れが瓦礫の山となり、見上げる空は鉛色に沈む。人はそれでも石を積み上げ、かつての形を思い出したがる。歴史の中で帝国が崩れ、廃墟を新たな都と呼び続けた王たちもいた。
遥か西の大地、一面に風が吹きすさぶ広野には、かつて戦いに破れた者たちが、血の跡を覆い隠すために厚く重ねた敷物があった。遊牧民のテントの中で、夜ごとその敷物に腰かけ、苦き葡萄酒の杯を静かに傾ける。西方の森には、晩秋にだけ実を落とす樹があり、枝々から滴る液体は古より薬となった。中世の修道士たちはその実を染料にし、厳しい冬の衣を染める。市場では、しわの深い手をした商人が、広げた布の端を客に握らせ、その温もりを確かめさせる。
夜毎、嵐の後に空を覆う曇天の下、打ち捨てられた屋敷の壁には、つる草が絡みつき、離れた誰かの記憶を留めている。塵が積もるばかりの古い椅子、磨かれることを忘れられた木の卓、かつて誰かが書き記した本の背表紙。人は新しいものを求めながらも、古き良き時代の残り香にすがる。
今日できることは、埃を払い、古い食卓に葡萄の実をひと粒転がしてみること。木の椅子に腰掛け、遠い時代を想うこと。冬の夜に、厚手の毛布を肩に掛けながら、ぬるめの葡萄酒を一口含むこと。あるいは、使い込まれた布の端を指先で撫で、今日の自分の居場所を確かめること。
今日のラッキーカラーは、マルーンです。
Lucky Color: Maroon — #800000昨日までの崩れも、今この時の温もりに変わります。受け入れることで、静けさはあなたのもとに訪れます。

塔へ戻る