Colors for the Fool

今日の色を、牌より引く

牌を引く / 悪魔

悪魔の藍。中央の鏡に色が映る絵

藍

正位 · #4B0082

一人が石の台座の頂に立ち、筋肉は張りてなほ動かず、鎖は足首の周りにたるみて横たはり候。上げたる松明は破壊のためには御座なく、照らしのためにて、床に沿ひて鋭き縁を投げ、縛る輪の輪郭を描き候。されどこれらの鎖は肌に逆らって張らず候。緩く休み、着る者が、それらが真にいかに少なき力を持つかを悟るを待つが如くに御座候。欲望はここに揺らぎ、松明の炎に見え、認められ理解さるる限り、責めには御座なく道具と成され候。

世界の別のところにて、畑は苛き日の下に伸び、その収穫は食物には御座なく、狭き葉と小さき莢とを持つある灌木に御座候。時の来るとき、働く人は低く屈み、作物を集め、腕一杯を待つ桶へ運び候。そこに、水と時とは静かなる仕事を始め候。莢は浸り、土の甘み、土と遅き発酵とを等しく持つ香を放ち候。忍耐にて、沈澱は形づくられ、篩はれ圧され、やがて布と手との両方を、その長く残る存在にて印す物質を渡し候。

これらの遠き畑より、顔料の塊は旅に出で候。箱に詰められ、驢の背にて音を立て、平底の舟にて泥の川を下り、商人の船の暗き艙にて海を越え候。この交易は運を織り、帝国を形づくり候。市は唸り、買ふ人は圧されたる塊を調べ、その面は塵を被り粗く候。蔭の仕事場にて、染める人は注意深き手にて釜を整え、糸と亜麻との束を深き湯気の浴へ下ろし、変容の始まるを見候。布は、出づるとき、地の記憶にて印され、遠き嵐の香と、労したる者の汗とを携へ候。

年に二度、天候は突然荒く転じ候。ある季節、川は岸を破り、畑全体を掃き去り、脆き作物を脅し候。ほかの年、長き旱は土を乾かし、収穫のみには御座なく、草より布へ色を誘ふ知をも脅し候。過程を知る者はそれを注意深く守り、母より子へ声を潜めて渡すか、家の構への壁の後ろに隠すかに御座候。支配する者と商人とは、それを制御しようとし、時に作物を禁じ、時にその交易に税を課し候き。されど常に、どこかに、鍋は抗ひの中に静かに浸り候。顔料は単なる商品には御座なく、遺産、生き残りと機知との印と成り候。

家の静けさにて、この物語の印は残り候。染めたる布の一長さは、下の引き出しに畳まれ、婚礼と葬儀とのために保たれ候。擂鉢は、乾きたる莢を碾くより内の染み、台所の道具の中に坐り、多き季節の仕事の証拠に御座候。時に、雷が遠くに唸るとき、ある人は莢と茎との鍋を沸かし、馴染みの香を空気の中に昇らせ候。縛るものさえ、注意と意志とにて変へられ得ると、思ひ出させるものに御座候。

今日、貴殿は染めたる布の切れを財布に置くか、莢の一握りを煮て、室をその香にて満たすのみにするかに御座候。古き擂鉢の内に沿ひて指先を辿り、年月の使ひの残したる小さき溝を感じ候。あるいは、顔料が大陸を越え運を形づくりたる話を声に出して読み候。身振りの一つ一つは、貴殿の気づかざりし鎖を緩むる道に御座候。

今日の色は藍に御座候。
Lucky Color: Indigo — #4B0082欲望の道具は貴殿の手を待ち、道は古く、鎖は緩く候。

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