引き方
- 牌を一枚引き候。大なる二十二枚より、正位か逆位にて出で候。
- その牌が、今日何を象るかを読み候。
- 説明のうしろの「今日の色」を押せば、物語の末に今日の色が開き候。牌を今一度押しても開き候。下の鏡を押せば、文章は上へ畳まれ、牌は裏に戻り候。
この場について
大なる二十二枚の一枚に、色を結び候。神話や歴史、土地や道具の話をたどり、物語の末に、今日の色へ着き候。
旅人の旅、零より二十一まで
大なる二十二枚
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旅人
正位崖の縁に、荷物の少き人が立ち候。足元には犬、手には薔薇が御座候。後ろを見ず、次の一歩のみを見候。
逆位同じ崖に候へども、足は地面を信じ候はず。振り向かず落ち候か、縁にて立ち尽くし候か。いづれも、一歩の置き場を見候はず。
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方士
正位机の上に、杖と杯と剣と貨幣が御座候。片手は天、片手は地に候。方士は、すでに手元にあるものを一つの意図へ通し候。
逆位机の上の道具が、見せるためのみに並び候。手は動き候へども、天と地は繋がり候はず。言葉が先に走り、材料は追ひ付き候はず。あるいは材料は揃ひ候へども、手を付け候はず。
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尼院長
正位二本の柱のあひだに、坐る人が御座候。膝の上の巻物は、まだ半分のみ開き候。尼院長は、知りたることを急いで渡さざる牌に御座候。
逆位巻物は閉じたるままか、開きすぎて中身が散り候。沈黙は秘密の抱え込みと成り、直感は根拠なき断定と成り候。
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女帝
正位豊かな席、麦、森、流るる水が御座候。女帝は、育つものに場所を与ふる牌に御座候。支配して実らせるには御座なく候。土と時期と手間を揃へ、実りが自ら来るを助け候。
逆位畑は疲れ候か、実りを急いで摘みすぎ候。世話は抱擁には御座なく、囲ひ込みと成り候。与ふることが、自らの枯渇を隠す仕事と成り候。
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皇帝
正位石の玉座、硬き背もたれ、遠くを見る顔が御座候。皇帝は、境界を引くことで人が休めるやうにする牌に御座候。
逆位玉座は身体に合ひ候はず。規則は人を守ることをやめ、人を小さくするために残り候。あるいは、境界は消えて、決すべき人が席を空け候。
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教皇
正位二人の学び手の前に、坐る人が御座候。鍵、しきたり、手より手へ渡る型。教皇は、一人にて発明せずともよき知恵の牌に御座候。
逆位型は中身より重く成り候。鍵は扉を開くためには御座なく、扉を占むるために握られ候。あるいは、いかなる師の言葉も届かず、自ら一人の流儀のみが正しき席と成り候。
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恋人
正位二人の人と、その上の使ひが御座候。恋人は、甘き一致のみを描きたる牌には御座なく候。選ぶこと、その選択にて自らが誰と成るかを引き受くる牌に御座候。
逆位選択は半分のまま残り候。両方を持たうとして、いづれとも約し候はず。あるいは、一度決めたることを、決めたる覚えなきふりにて揺らし候。
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戦車
正位二頭の生き物に引かせたる車が御座候。御者は手綱を握り、町の門を出で候。戦車は、意志が散り散りの力を一つの方向へ運ぶ牌に御座候。
逆位車は動き候へども、門を出で候はず。あるいは、速すぎて車輪は道を忘れ候。二頭は左右に引っ張り、御者は手綱を見せるために握り候。
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力
正位獅子に手を置く人が御座候。力は、押さえ付けたる量には御座なく候。口を開きたる獣のそばにて、自らの手を柔らかく保つことに御座候。
逆位手は硬く候。獅子を御したるやうに見えて、実は恐れが指を閉じさせ候。あるいは、優しき形をしながら、自らの熱を信じられず、獣より目をそらし候。
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隠者
正位山の上の一人、掲げたる灯が御座候。隠者は、世を捨てたる人には御座なく候。灯を高くするために人混みより離れたる人に御座候。
逆位灯は内側に向きすぎて、道を照らし候はず。孤独は知恵には御座なく、隠れ場所と成り候。あるいは、山を降る時期に候へども、まだ峰に席を占め候。
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運の輪
正位回る輪が御座候。上にあるものと、下へ向かふものとが御座候。運の輪は、努力の外側にて世界が位置を入れ替へる牌に御座候。
逆位輪は同じ場所にて空回りするやうに感じ候。変化は来候へども、前の位置へ戻らうとし候。あるいは、悪しき回転のみを運命と呼び、自らの位置より目を離し候。
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正義
正位剣と秤が御座候。正義は、感情を消したる冷たさには御座なく候。両側に同じ光を当て、偏りを量として見ることに御座候。
逆位秤は傾きたるまま、傾き候はずと言われ候。判決が先にあり、事実は後より並び替へられ候。あるいは、公平を求めるあまり、決める剣を鞘に戻したるままに候。
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吊られ人
正位足にて吊られたる人が御座候。苦しげに候へども、顔は静かなるに御座候。吊られ人は、止まりて見ゆる時間が、見方を反転させる時間の牌に御座候。
逆位吊られたる姿勢が、見方の転換には御座なく、停滞の習慣と成り候。手放すふりをして、実は結ばれたる足を自ら締め候。あるいは、待つべき時間を、動かざることを美徳にて覆ひ候。
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死
正位終わりを運ぶ人が御座候。田は刈られ、旗は朝の方を向き候。死は、消滅そのものより、終わりたる形が場所を空くる牌に御座候。
逆位終わりは来候へども、同じ形を保つことに力を使ひ候。枯れたる枝を、まだ季節の半ばと説明し候。変化を、いつかする整理として棚へ上げ候。
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節制
正位二つの杯のあひだにて水を移す人が御座候。節制は、我慢の牌には御座なく候。配合の牌に御座候。
逆位水は杯の外にこぼれ候。配合は、中途半端なる保留と成り候。あるいは、一つの味のみを濃くして、もう片方の杯を棚の奥へ隠し候。
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悪魔
正位鎖に繋がれたる二人が御座候。鎖は太く見え、輪は緩く候。悪魔は、自ら外せる輪を、外せざるものと信じたる状態の牌に御座候。
逆位鎖は見え始め候。あるいは、外したるはずの輪を、まだ首の形のまま歩き候。束縛に気づきたる後の混乱が来候。自由が急に広すぎて、今一度檻の方を懐かしく思ひ候。
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塔
正位雷に打たれたる高き建物が御座候。塔は、高く積みすぎたる確実さが、一瞬にて崩るる牌に御座候。
逆位落雷の後に、同じ高さの塔をもう一度積まうとし候。あるいは、崩れを恐れすぎて、必要なひびまで塗り込め候。
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星
正位水辺に跪き、二つの瓶より水を注ぐ人が御座候。頭上には大きなる星が御座候。星は、災難の後に残る静かなる希望の牌に御座候。
逆位瓶は傾き、水は同じ場所にのみ落ち候。星は見えざるには御座なく候。星を見るために夜そのものを拒み候。希望は、今すぐ全部が良くなるといふ要求に変はり候。
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月
正位二本の塔、そのあひだの道、犬と狼、水より上がり来るものが御座候。月は、道が半分のみ見え候牌に御座候。
逆位霧は道ごと隠すか、不安はすべての影に名を付け候。想像は事実の席に坐り候。狼の声を危険のみとして聞くか、犬の声を無視して野へ入り候。
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太陽
正位開きたる光、花、率直なる子どもが御座候。太陽は、隠したるものが日向にて乾く牌に御座候。
逆位光は強すぎて、影の仕事まで照らし候。喜ばねばならぬといふ強制が御座候。あるいは、光を信じられず、晴れの日に帳を閉じ候。
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審判
正位喇叭と、棺より起き上がる人々が御座候。審判は、裁かれて終わる牌には御座なく候。古き自らの名を呼ばれて立ち上がる牌に御座候。
逆位喇叭は鳴り候へども、棺の蓋を内側より押さえ候。呼ばれ候ことを、まだその時期には御座なく候と説明し候。あるいは、過去の自らを裁く声のみ残り、立ち上がる音は届き候はず。
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世界
正位輪の中にて踊る人が御座候。四隅に見守りが御座候。世界は、一つの周期が実を結びたる牌に御座候。
逆位輪の手前にて足は止まり候。完成に要る最後の一歩を、完全ならざるといふ理由にて保留し候。あるいは、一つの周期を閉じられず、同じ円周を回り続け候。
問ひ
正位と逆位は、いかに分かれるか
同じ絵が、逆位にて別の意味を持ち候。正位は、表を上にして出た牌に御座候。逆位は、遅れ、過ぎ、ひっくり返った意味に御座候。裏は、裏面の見え候牌に御座候。
毎日引けるか
一日に一枚でも、幾枚でも引き候。山の尽き候とき、また混ぜ候。