力
VIII
正位
獅子に手を置く人が御座候。力は、押さえ付けたる量には御座なく候。口を開きたる獣のそばにて、自らの手を柔らかく保つことに御座候。
獅子は外の障害にて、同時に自らの内側の熱に御座候。その熱を殺せば、勇気も死に候。手を開けたるまま置けば、熱は破壊には御座なく、脈と成り候。
今日のこの牌は、強く握ることを一旦やめ、触れ続けることで強さを示す一枚に御座候。
逆位
手は硬く候。獅子を御したるやうに見えて、実は恐れが指を閉じさせ候。あるいは、優しき形をしながら、自らの熱を信じられず、獣より目をそらし候。
力が逆位となれば、我慢は強さの代用品と成り候。堪へることと、馴らすこととは異なり候。
今日のこの牌は、握りたる場所を一つのみ緩めることを象り候。緩めたる後に残る脈が、今日の力に御座候。
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深紅 志を柔らかさにて調へ、譲る中に力を見いだし候。
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赤 手を緩むる中に勇気はあり、強ひざる嵐は過ぎ候。
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濃赤 力とは貴殿が握りを緩むる時を知ることにて、忍耐はより静けき力に御座候。
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火赤 力が日を硬くする所にて優しきが貴殿の手を導き、撓む力は折れる力より長く堪へ候。
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赭 忍耐と持続は譲る地に最も深く根を張り、力を世話へ転ずれば堪へる物は見ゆ候。
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濃金 今日の力は忍耐にて和らぎ、硬く立つ物は時の中に撓むことを学び候。
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茶 堪へることは力と同じく譲ることにて、忍耐が貴殿の握りを和らげ候。
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鞍茶 忍耐の手は力の傷めたる物を繕ひ、譲ることは時に最も真なる力に御座候。
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薄墨 圧の下の忍耐にて、石さえ時の中に譲り候。
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黒 抑制が持続と会ひ、沈黙が知恵の席を設け候。