Colors for the Fool

今日の色を、牌より引く

牌を引く / 力

力の橙。中央の鏡に色が映る絵

橙

正位 · #FFA500

静けき朝の女、野の花の冠を戴き、長き草の中に跪き候。手は優しく獅子の顎を囲み候。それは闘ひにも征服にもあらず、信頼の沈黙に御座候。女は収穫の後の晩季の果樹園のごとく沈黙にて、実はなほ枝に付き、唯一の音は葉の間を移る光に御座候。ここでの力は、見せびらかしにてはなく、在ることに御座候。獅子の重き息、鬣の温もり、指の繊細なる握り、すべて収まり、すべて静けき約の中に保たれ候。

この草原の彼方にて、古き船はかつて香る実の箱を地中海を越え運び候き。その香りは瀝青と塩の風に混じり、商人を遠き岸へ引き候き。この橙の実は王の宮廷の宝となり、平和と同盟のしるし、健康と忍耐の栽培の印と成り候き。林は日の下に栄え、枝は収穫の重みに撓み、これを世話する人は調子と季節の力、待つこと、集むる時と、なほ少し熟れしむる時とを知り候き。塞維里亜の市と馬哈拉施特拉の園にて、皮と白き瓤は会話の通貨、菓子と汁の味、病む者への甘苦き慰めと成り候き。

幾世紀も昔、僧は石の壁の廚に跪き、この橙を薄き輪に切り、火の前の棚の上へ並べ候。急がず候。忍耐が主な材料に御座候。乾きたる後、この輪は旅に出で、長き旅の袂へ挟まれ、または冬の煮汁の中にて煮られ候。その味は思ひ出されたる日の光に御座候。別の世紀にて、絹を織る者は皮と共に糸を大鍋にて煮、布が遠き果樹園の明るさを吸ふを見候き。遠き地の花嫁はこの布に包まれ、祭壇への道は、その静けき約束と、多くの手の心したる仕事にて照らされ候き。

撒哈拉を越ゆる旅人は、正午にこの橙の一つを持ち、息も絶えぬ熱の中にて、しばしの安らぎのため唇へ押し候。印度尼西亜の村の子らは林の中を追ひ合ひ、皮は汁にて粘り、実が籠へ落ちる所にて笑ひは上がり候。古き廚にて、手は木の鉢の中へ皮の香を摺り、鋭き香りは湿りたる午後の希望のごとく上がり候。橙の蜜漬の瓶は食料庫の棚に並び、一つ一つは近き収穫より救はれし約束にて、一つ一つは蝋と、遅き攪拌の記憶にて封ぜられ候。

外にて、雲は雨季のために集ひ候。空気は湿りたる土と花弁の香りにて、雨の前の間にて、世は待ち候。かかる天候の中を、静かにて恐れずに歩くことは、一種の力に御座候。雷の脅すときにも最も柔らかき歩みを選び、戸を力にてはなく心して閉ぢ候。いつ庇ひへ入るべきか、いつ野を越ゆべきか、いつ定まりし手を伸ぶべきかを知ることに御座候。

今日、貴殿は隣の卓のために実を切り、または竈の上にて皮を吊り乾かし候。明るき模様の布にて小さき贈物を包み、襞が己の優しき張りを保つに任せ候。あるいは書を、遅き心したる手にて閉ぢ、言ふ前に沈黙を落ちつかせ候。これらは力が習慣と成る仕方にて、日々の物に根を張り、音にてはなく優しき持続の中に顕れ候。

今日の色は橙に御座候。
Lucky Color: Orange — #FFA500忍耐と静けき行ひ、貴殿を運び候。

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