女帝
III
正位
豊かな席、麦、森、流るる水が御座候。女帝は、育つものに場所を与ふる牌に御座候。支配して実らせるには御座なく候。土と時期と手間を揃へ、実りが自ら来るを助け候。
感覚は開き候。布の肌触り、食卓、庭、身体、季節。世界がこちらに実を渡さうとするとき、受け取る側の席がこの牌に御座候。
今日のこの牌は、足らぬものを数へるより、すでに芽を出したるものを育てることを象り候。
逆位
畑は疲れ候か、実りを急いで摘みすぎ候。世話は抱擁には御座なく、囲ひ込みと成り候。与ふることが、自らの枯渇を隠す仕事と成り候。
女帝が逆位となれば、豊かさの巡りは滞り候。受け取ることを拒むか、受け取る前に使ひ切り候。身体や食卓や庭が、後回しの場所と成り候。
今日のこの牌は、育てる手を一度休ませ、自らもその畑の一部なることを思ひ出すことを象り候。