女帝の豊かな庭にて、女は果実にて重き枝の下、彫りたる席に定まり候。周りにて、高き草は整ひたる列に立ち、各の茎は熟れたる穀の房にて冠せられ候。これらの茎の柔らかき擦れに、近くの滝の静けさが加はり、その水は生きたるすべてのものの根を養ひ候。足元にて薔薇は攀ぢて咲き、花弁は日に開き、膝の上には編みたる籠が休み、炉よりなほ暖き丸き麺麭に満ち候。ここの地は耕され、迎へ候。多くの季節の丁寧なる労を示し、道は足跡にて印され、畝は小さき石にて縁取られ、木の熊手は低き垣に寄り候。
この手入れされたる場所の向こう、田舎は広く開け、やはらかく揺るる野の継ぎに候。古き物語はここに残り候。最も早き村にて、人は夏の縁にこれらの高き草を集め、切り、束に結び、家へ運び候き。集めたる穀は最初の麺麭と成り、土の竈にて焼かれ、寒き月を通じて世帯を支へ候き。同じ野は、葺き屋根と柔らかき寝床とのための藁を供し、家族を風と雨とより庇ひ候き。川岸の家にて、収穫は分かつ食事と歌とにて祝はれ、各の卓は麺麭と水差とにて設へられ、各の扉は編みたる茎にて飾られ、迎へと祝福とのしるしに候き。
神話と記憶とは、これらの野へ織り込まれ候。古き時、編みたる茎の環は戸口の上に掛けられ、飢ゑと不運とより守り候き。希臘にて、物語は穀母得墨忒耳が腕の下に束を抱へて土地を歩き、人類への賜物は、播くことと刈ることとの知、各の季節に報はるる耐心に候、と語り候き。草原にて、茎は風に曲がり候へども再び立ち、突然の嵐と、待つことの長き月とを通じてしなやかに候き。厨にて、穀のひとつかみは碾き臼を通り、それから慣れたる手の形づくる生地へ入り候き。焼く香りは開けたる窓より外へ旅し、慰めと豊かさとの約に候き。
収穫の後、野の裸にて空気のより涼しきとき、仕事は内へ向き候。余りの茎は集められ、箒に結ばれ、炉より最後の塵を掃き候。あるものは世話にて帽子あるいは敷物に織られ、役に立ち頑丈にて、日の短くなるとき、夏の野の記憶を家の中へ運び候。遠き街にすら、卓の上の乾きたる茎の瓶は、古き道を呼び戻し、豊かさは最も単純なるものより流るる、といふ思ひ出に候。
今日、誰にも新しき麺麭のために生地を捏ね、他の者と暖きまま分かつこと、養ひと繋ぎとの古き式を響かせることが叶ひ候。乾きたる茎の単純なる束を窓縁に置き、あるいは環を編みて扉の上に掛けることは、静けき運を招き候。藁の箒にて室を掃き、動きは遅く定まり、収穫の穏やかさを家の中へ運び候。次の季節の穀のひとつかみを小さき瓶に残すことは、耐心と、更新の約とを敬ひ候。
今日の色は小麦に御座候。
Lucky Color: Wheat — #F5DEB3穏やかなる富は、すでに貴殿を囲み候。