姿は高き山の峠に立ち、手に杖を持ち、灯を胸の近くに保ち候。足の下の道は狭く、風は鋭く、下の世は鎮まり候。灯の中に輝く物は、外へ燃え広がるためではなく、旅人の足の周りに小さき確かな円を照らすために候。隠者は群衆を招かず、谷を越えて呼ばず候。静けきのため、一つの息と次の息の間の瞬間のための宝を保ち候。
何処か、地の深き室にて、金属は蝋燭の炎よりも細き鉱脈の中に見いだされ候。硬き石より引き出され、手にて洗はれ篩はれ、古き日には王と女王の心の近くに保たれ候き。埃及の王は開きたる櫃の上に身を屈め、この稀なる銭と指輪の中に、堪への約束を見いだし候き。聖堂の沈黙の中にて指へ滑らされたる婚礼の指輪は、同じ重みを携へ候。空気の中に曇らぬ物、幾十年の過ぎるときにも曇らぬ物の印に候。隠者の孤独にて、かかる物は富の印にはあらず、誓ひと目的の印、世の嵐のときにも揺がず保たるる値の、私なる合図に御座候。その金属は金に御座候。
風の切り抜くる高き斜面にて、小麦の茎は独り立ち、熟れし粒は己の満ちの下に撓み候。収穫の時の野にて、刈る者はこの穂を集め打ち、後に残る物は午後の最後の光を受け候。古き神話にて、邁達斯は愛しし物に触れ、それは永き物と成り候き。同時に孤独とも成り、各の物は世より隔てられ候き。隠者の灯は、邁達斯の触れのごとく、すべての富が表示のためにはあらぬ思ひ出させ候。ある富は一つの道を照らすため、沈黙の中に携へらるるために候。
古き町にて、商人はかつて外套の内に縫ひし袋を携へ旅し、手にて縫はれ、路の長き夜の間、中身は心して守られ候き。内の銭は安全なる通過、静けき宿の食事、または家へ言を送る手段を買ひ候き。修道院にて、照らされたる写本は心したる金の細細工にて光り、各の細部は丹念にて、頁の上に留まる者のために取りて置かれ候き。黎明の前、小さき円の中にて手より手へ渡さるる杯は、触れにて曇らされ、多くの命の一つの器へ蒸留されたる物語を保ち候き。これらは騒音の宝にはあらず、孤独の宝に候。灯の光の小さき半径のための物、世の眠る間に番をする者のための物に候。
ある午後遅く、空は割れ開き、野は突然の閃きにて打たれ、日そのものが息を保つかのごとくに候。人が窓に立ち、硝子の外の世がしばし変はり、藁の葉または葉の縁の一つ一つが、日の沈む前に光る瞬間御座候。その数分にて、麺麭を作ること、指輪を繕ふこと、家の小匣を開くことの静けき仕事は、忍耐と世話の儀式と成り候。隠者の教訓は、近き物を世話ひ、測りたる歩みにて灯を携へ、内より来る温もりを貴ぶことに候。
今日、人は貴ぶ指輪を磨き、忍耐の手にて麺麭を焼き、または古き家の杯を出し、掌の中にて遅く廻し、その物語を思ひ出し候。人は午後に沈黙の道を歩くことを選び、足音の音と、袂の中の小さく堪ふる物の定まりし慰めのみを伴となし候。
今日の色は金に御座候。
Lucky Color: Gold — #FFD700今日は静かに貴き物を尊び、灯の光を貴殿の手の近くに留め候。