Colors for the Fool

今日の色を、牌より引く

牌を引く / 隠者

隠者の淡黄。中央の鏡に色が映る絵

淡黄

正位 · #FFFACD

静けき道は上へ伸び、隠者の心したる皮履にて辿られ候。一方の手にて、木の杖を握り、用と眠らぬ時間にて滑かにされ候。他方の手にて、灯御座候。その光は遠くまで達せず候ども、炎の近き温もりは定まり、冷気に対する慰めの円に候。隠者は風に逆らひて外套を纏ひ、一歩ごとに測り、光の外の世は保留され、空さへ息を保つかのごとくに候。孤独は空虚にはあらず候。蒸留にて、刈り込みにて、大切な物のみの残ることに候。

隠者の旅にて、灯は単に見るためではなく、焦点のためにも候。その光の範囲は、次の石の形、袍を捉へ得る枝、または道の突然の縁を示すに足るだけに候。それは、春の最初の軽き菓子のため粉を篩ふとき庖丁人の求める、集中したる輝き、または早朝に生地の擾されず膨らむやう優しく敷かれたる廚の手拭の柔らかさに候。この儀式は静かにて、実より摺られたる皮の香の最も微かなる香りに伴はれ、空気を抜け、記憶の中へ落ち候。その淡さは淡黄に御座候。

世の喧騒より遠く、阿爾卑斯の高きに修道院御座候。黎明の前、一つの鐘が兄弟を祈禱へ呼び候。食堂にて、皿は僧の手の中に休み候。菓子の一切れ、その屑は軽く、皿の上に漂ふかのごとくに候。方は遠き祖母より思ひ出され、祖母はかつて襞ある布にて焼菓子を包み、子らと共に市へ送り、布の畳みが甘さを安全に保ち候き。外にて、日はなほ山の頂を越えず候ども、内には詩篇の書の頁を記すに足る明るさ、小さき平和にて始まる日の約束御座候。

隠者の道は大路にはあらず、晴れと定まらぬ双方の天候を抜くる細道に候。霧の丘を越えて低く転げ、草の消ゆる日御座候。道の唯一の印は、蜘蛛の巣の上の瞬き、または戸口に残されたる去年の藁の上に霞の玉を成す仕方に候。時に、静けき家にて、誰かはしばし帷を引き、朝がその沈黙を卓布の上へ置くに任せ、皿の縁に沿ひて指を辿り、茶の最初の一口の前に立ち止まり候。世は大にて、この室は足り候。

神話より、忍耐にて見えぬ織る女の物語は来り候。女は一つの蝋燭の光にて織機に糸を通し候。女の布は軽く細く、春の婚礼へ帽箱の中に携へらるる衣のごとくに候。女は眠る家を擾さぬため沈黙にて働き、業の中の美は静かにて、世話の手に触れる物への開きなることを知り候。隠者もこれを知り候。一つの灯、簡素なる杖、長き日の終りに割られ分たれたる菓子の一片の値を知り候。

今日、貴殿は柔らかき布巾にて麺麭を包み、または柑橘の実を摺る間に立ち止まり、香りを貴殿の手の上に残らせ候。日出の前の沈黙に坐し、繊細なる杯より飲み、または帷の襞を優しく伸ばし、最初の光の転げ入るに任せ候。各の行ひは、小さく収められ、世を臂の長さに保ち、己の慰めを近くへ運び候。

今日の色は淡黄に御座候。
Lucky Color: LemonChiffon — #FFFACD静けき祝ひは優しき照らされたる日のためにて、灯の円は足り候。

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