Colors for the Fool

今日の色を、牌より引く

牌を引く / 恋人

恋人の桃。中央の鏡に色が映る絵

桃

正位 · #FFDAB9

暁の庭にて、二人の姿は向き合ひ、世界は結ばれたる手のあひだに抱かれ候。朝の最初の息は果樹園を抜け、熟れゆく実の柔らかき毛をくすぐり候。ここにて選択は、遠き概念には御座なく候。生きたる招きに御座候。道を選ぶこと、根を下ろすこと、相手をそのままで迎ふることに候。庭は古く、物語にて種を蒔かれ候き。古き国々にて、恋人は約にて膨らむ果樹の下に集まり、空気が歌と可能性にて揺らめくあひだ、秘事を分ち候き。恋人の縁は、上より掛けられたる呪には御座なく候。各自が相手へ手を伸ばすとき、確かには候へども心を開きたるまま、葉のあひだより日光の漏るる場にて、世界の再び新しきところにて、形を取り候。

この瞬間より、景色は意味にて豊かになり候。花は草の上に漂ひ、毛深く柔順にして、理解し、理解されむと望む二人のあひだに交はされたる最初の贈り物に応へ候。果樹園は、波斯と中国の山腹を思ひ出させ候。商人はかつて、繊細なる産物にて溢るる籠を市へ運び候き。そこに、編まれたる天幕の下にて、二人は完全なる収穫の皮の上に指先を滑らせ、内の甘さを量り候き。地中海の町にて、その実は結びの祝ひにて貴ばれ、肉は切られ、未来への信の印として磁器の上に供され候き。実の香は手に、布巾に、空気に残り候き。柔らかく誠実なるものが分たれたる証に候。

この庭の選択は、愛することのみには御座なく候。心を込めて生きることに候。手元の道具の一つ一つ、古き厨の篩、亜麻の布、木の柄の小刀は、世話と分かつために作られ候。世界の厨にて、これらの道具は、伴が貴殿と台の前に並ぶとき、新しき用を見候。貴殿は丁寧に剥き、切り、貴重なる半分を掌より掌へ渡し候。それぞれの仕草は、静かなる肯ひに候。味は日と雨の混ざりに候。温き午後の記憶と、なほ来たる収穫の約に候。最も単純なる仕事さへ、実を煮詰に変へること、甘き肉を焼菓子に折り込むこと、朝の卓の中央に並べること、献身の行ひと成り候。

天候も、その役を担ひ候。やさしき霞は景色の上に降り、縁を和らげ、人を隣人や愛する者と共に戸外に留まらせ候。雨の後の静けさにて、空気はやさしく、土の香と近き嵐の記憶を運び候。かかる日、二人は果樹園の道を歩き、落ちたる実を拾ひ、あるいは腰掛の露を払ひて近くに坐るために足を止め候。かかる共にある時は、卑しく急がず、信頼の土台を形作り候。選ばれ、分かつ行ひごとに新しくなる縁は、双方に所属の場を与へ候。いかに生き、誰を選ぶか、といふ問ひへの答に候。

今日、貴殿は朝の焼菓子に新しき甘さを見、分かつための新しき果物の蜜煮を用意し、あるいは分かつ食のための柔らかく織られたる手拭を選ぶもよく候。見たる最初の熟れたる実を、大切なる人へ供へ候へ。あるいはその核を瓶に納め、なほ来たる季節への約となすもよく候。

今日の色は桃に御座候。
Lucky Color: PeachPuff — #FFDAB9開きたる心の選択が、貴殿の保つ縁を形作ることを思ひ出させ候。

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