Colors for the Fool

今日の色を、牌より引く

牌を引く / 節制

節制の亜麻茶。中央の鏡に色が映る絵

亜麻茶

正位 · #F5F5DC

この牌は、一つの器よりもう一つの器へ水を注ぐ天使を示し候。浅き水溜りに片足、乾きたる地に片足にて立ち候。仕事は遅く、滴の一つ一つが杯より杯へ移り、注意深き均衡の行ひに御座候。地平にて、狭き道は遠き山の尾根の方へ巻き、忍耐と定まりたる手とを求める旅を約束し候。器、水、地、道の要素の一つ一つが、静かなる配合の起る空間を思ひ出させ候。見世物より、微かさが要る空間に御座候。

古き台所にて、粉の袋は木の釘に掛り、その布は年月の使ひにて柔らかく候。袋は丈夫にして素朴にて、遠き畑にて碾かれたる穀の跡を帯び、何里も運ばれ候。農家の内にて、かかる袋は、麺麭を作ることに慣れたる手にて開かれ、粉は鉢へ篩はれ、井戸の水と混ぜられ、亜麻の布の下に膨らむために置かれ候。布は、機の律を知りたる女の指にて織られ、生地に軽く当たり、塵と急ぎたる虫とよりの盾に御座候。これらの台所にて、日々の労働は優しき儀式へ落ちつき候。量り、注ぎ、捏ね、休むことに御座候。繰り返しに慰めが御座候。仕事と仕事とのあひだの静けさにて、麺麭の生地は変容し候。変容は大声にも突然にも御座なく、確かにて候。

農家の戸の先にて、一日は低き日光と穏かなる空気との日なることも候。開きたる畑にて、羊は草を食み、反芻し、その毛は厚く急ぎなく候。空気は、刈りたる小麦の香と、滑らかなる石の上を動く流れの遠き音とを運び候。かかる日、天候は苛くも鋭くも御座なく候。雲は薄く伸び、空は優しくむらのなき光を差し、静かなる足りることの感が御座候。これは人を外へ誘ふ天候に御座候。織りたる筵に坐り、夕餉のために豌豆の莢をむくか、豆に糸を通すか、あるいはただ雲の流るるを見るために御座候。この時は、派手なるものを何も求めず候。ただ居ることと、天使が水を混ぜる如く、内と外の世界とを混ぜる意志とを求め候。

ほかのところ、納戸にて、袋の列は馬鈴薯と玉葱との籠の傍に休み候。蒜の縄と、紐にて結ばれたる乾きたる香草の束とが御座候。粉の袋は、再び、飢えに対する守りの列と成り、麺麭と養ひとが決して遠くには御座なく候、といふ約束に御座候。村にて、商人はかつてこれらの袋を、卵、または手織りの羊毛の一長さと取引し候き。手は、素朴にしてなほ欠かせざるものを交換し候き。袋の布は、のちに作り直され候き。前掛け、塵拭ひ、または子どもの上着の懐に縫はれ候き。布は残り、穀と仕事との香と、押し畳みて、常に有するものと要るものとを合はせようとしたる手の記憶とを運び候。

耕されたる地の縁にて、足跡にて摩れたる道は、優しき高みを越え、畑を回り、乾きたる草の房のあひだを通り候。ここに、旅人は麺麭の皮を食むために立ち止まり、歩き続ける前に、馴染みの布にて塊を今一度包み候。旅は謙遜なるも、道は確かにて、先に来たる人の静かなる決意にて印され候。これは、忍耐強き変化の風景にて、配合にて調和を見出だし、常のものが耐久あるものを渡すと頼む風景に御座候。

今日、人は茶のための卓掛けとして粉袋の布を敷くか、焼きたての麺麭を包むために用ひ候。午後に布を枕の上に伸ばして休むか、肌に柔らかく感ずる光の空の下を歩くかに御座候。配合を習ふことは、日々のものに均衡を見出だすことに御座候。合はせ、混ぜ、休み、旅することに御座候。

今日の色は亜麻茶に御座候。
Lucky Color: Beige — #F5F5DC静かなる仕事と優しき天候は一日を均衡へ運び、小さき配合は調和を招き候。

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