Colors for the Fool

今日の色を、牌より引く

牌を引く / 節制

節制の浅碧。中央の鏡に色が映る絵

浅碧

正位 · #AFEEEE

静かなる人が、浅き池の縁に立ち候。片足は水に触れ、片足は涼しき土へ静かに押し候。その手にて、二つの聖杯が、一つの方よりもう一つの方へ、注意深き流れを傾け候。上にて、朝の空気は解くる香と、露の微かなる輝きとを運び候。雲が、たった今、草の上に泣きたるが如くに御座候。注ぐ流れは、急がず、撥ねず、遅き交はりの中に平和を見出だし候。先にて、狭き小径は葦と野生の薄荷との中を巡り、日の最初の光に粉を吹かれたる、遠き尾根の方へ行き候。

古き物語に、埃及の砂漠の石が御座候。水の、年月にわたる待ちの忍耐を知りたる手にて、打ち欠かれ磨かれ候き。尼沙布爾の坑より、商人は夜明けの山の湖と同じ色の、川に磨かれたる小石を見出だし、駱駝の隊にて絹の道の峠を越え候き。中部亜米利加の神殿にて、彫る人は同じものを玉に形づくり、死者の唇へ押し当て候き。安き渡りの約束に御座候。交易の路の一つ一つ、静かなる仕事場の一つ一つが、元素を調和へ誘ふ場所と成り候き。地より引きたる銅、石灰岩の塵、熾火の上に扇がれたる人の息、細き螺旋にて昇る煙に御座候。結果は金属にも石にも御座なく、両方の示唆に御座候き。硬くしてなほ優しく、空が手へ断片を貸したるが如くに御座候き。

農家の内にて、夜明けの光は窓硝子を抜け、磁器の鉢の上にきらめき候。その面は、同じ水の如き艶にて釉をかけられ候。鉢は水差しと並び、ともに洗面台の番を待ち候。近くに、絹と亜麻とより織りたる柔らかき肩掛が、櫃の上に畳まれて横たはり候。その糸は、鉱物に富みたる地中海の浅瀬を思ひ出させ候。かつて潜る人は交易のための破片を集め、織る人は、本文を写す僧院の書記の忍耐にて、染料を配合することを学び候き。炉の上に、川蝉の一枚の羽が、木の梁に留められ候。旅人の印に御座候。川の平原と会ふところより、はるかに上流、氷河の流れの傍にて漁をしたるのち、家へ持ち帰られ候き。

節制は配合の仕事に御座候。外の天候は親切に御座候。優しき雨の夜の後、空は掃かれて澄み、空気の縁は乾きも重くも御座なく、ちょうどそのやうに均衡し候。石の道に沿ひて、野生の勿忘草と艾とは、互いに押し合ひ候。根は面の下にて絡み、それぞれ同じ土の一区画より、要るものを引き候。池の傍にて、蜻蛉は停まり、翼は光にて震え候。古き錬金術の士は、その技を、水の忍耐強き循環に因みて名づけ候き。溶かし、配合し、蒸溜し、再び一つにすることに御座候。これは世界の日々の仕事にて、霊にとっても同じに御座候。

今日、人は冷き泉の水にて杯を満たし、それを遅く、もう一つの杯へ注ぎ、滑らかなる流れを見る時を見出だし候。古き装身具の一片を磨き、指の腹にて滑らかなる石を辿り、それを形づくりたる手を思ひ出し候。外を歩き、昨夜の雨の残したる水溜りの傍にて立ち止まり、面に映る空を見候。雲は足の指のあひだを流れ候。あるいは家にて、襟巻に身を包み、優しく流るる空気の平和を吸ひ候。暖かくも冷たくも御座なく、そののち一日に会ふために出で候。

今日の色は浅碧に御座候。
Lucky Color: PaleTurquoise — #AFEEEE水と土は交はり、静かなる行ひにて足り候。

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