Colors for the Fool

今日の色を、牌より引く

牌を引く / 吊られ人

吊られ人の金。中央の鏡に色が映る絵

金

正位 · #FFD700

男は古き樹の生きたる枝より、片足にて穏やかに吊られ候。足は平和の、待つことのしるしに組み候。頭の周りにて空気は揺れ、静かなる火の輪がただ男のために現れしやうに候。この向きを転じたる見方より眺むる世は、同じ世にて候へども変はり、見慣れざる形と意味とに満ち候。樹は季節と風を通して忍耐強く立ち、すべての道がただこの瞬間のために休らふ十字路の中心に根を張り候。静けさは不在には御座なく、別種の動きなることを、男は学び候。

山の炉端にて語らるる古き物語にて、枝の下に待つ者は、しばしば冠を賜はり候。冷き金属には御座なく、打ちたる陽光を輪に紡ぎ、隠れたる手の授くる冠に御座候。古き商人は沙漠を遅き隊商にて越え、遠き王の顔を打刻せる重き貨幣を携へ候き。一枚ごとに約束と問ひとに候き。遠き寺の僧は、浅き小さき皿に供へを置き候き。その表面は朝の最初の光を受け、理解を願ふ静かなる祈りを映し候。岸の町にて、嵐と飛沫に打たれ、漁る人は燈の光にて網を繕ひ、天候の移るを見候。時に雲は割れ、空の急なる寛大さを明かし候。短く輝く一劃が水を照らし、一滴ごとに宝へ変へ候。

時を通じて、異なる角度より世を見むとて止まりし者は、報ひを期待せしものには御座なく、思ひがけざる閃きに見出し候き。川の泥の中の指輪、沈泥より掘り出せし金の塊、一日のみ咲く稀なる花の繊細なる葉に候。物語は言ひ候。忍耐ある砂金掘りは、冷き山の流れを篩ひ、皿の中に滑らかく密なるものの重みを感じ候、と。運はかくして来候。急きには御座なく、世の遅き念入りなる転回と、開きし心の念入りなる注意とにて候。

大きなる市の心にて、職人は柔らかき金を薄き板へ打ち、静かなる聖所の壁に、蝋燭の光にて揺らめく細かき模様を押し候。混みし市にて、商人は日を受くる織物を並べ、粗い手のあひだに糸は煌めき候。遠き丘の斜面にて、秋の収穫は遅き季節の重みに低く曲がる穀を出し、茎は一日の最後の光を受け、野は生きたる織物へ変はり候。祭の日、麺麭を焼く者は麺麭と菓子を輪と冠の形になし、皮を刷きて輝かせ、友にも見知らぬ人にも供へ候。

今日、貴殿は渡されし指輪または貨幣の前に休らひ、掌の温みに気づき候へ。愛しき鎖匣を磨き、光がその表面にて踊るを任せ候へ。焼き色の頂を持つ麺麭を家へ持ち帰り、貴殿の卓にて割りて分ち候へ。あるいはただ、夕の破るるとき窓に立ち、日の道が世を変へる短き瞬間を、たとえ一拍にても見守り候へ。

今日の色は金に御座候。
Lucky Color: Gold — #FFD700忍耐ある者は他の見落すものを明かし、静かなる光輪は静けさの中に待ち候。

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