Colors for the Fool

今日の色を、牌より引く

牌を引く / 隠者

隠者の赭。中央の鏡に色が映る絵

赭

正位 · #A0522D

隠者は知られたる世の縁に立ち、先の道をほとんど擦らぬ光の灯を抱き候。手の中の杖は、かつて修道院の庭を縁取りし木の枝より彫られ、その木は旅の幾年にて艶を出され候。足の下の道は古く確かにて、巡礼の足、車の輪、黎明の前に出でし沈黙の早起きの記憶を保つ、締められたる土より成され候。孤独は隠者の伴にて、周りの空間を近く、ほとんど神聖なる物へ形作り候。

ここ、この曲る高きにて、古代の人は丘の斜面を掘り、豊かさのため貴ばるる密にて白亜のごとき土を引き出し候き。この土は、多斯加納の日に浸りし谷にて収穫され、風雨に晒されたる手にて掃ひ上げられ、粘土の鍋と乾かし棚にて裏打たれたる工房へ籠の中に運ばれ候き。その町の賑はしき心にて、工人は土を細き粉へ碾き、彫られたる石の臼の中にて水と油と混ぜ候き。幾年の仕事より染まりし指は、これを絵師のための塊へ押し、絵師は聖人と天使を礼拝堂の壁と木の板の上に顕し候き。書記は蝋を溶かし土を混ぜ、山と海を越ゆる文を封じ候き。その土の色は赭に御座候。

家にて、家々は同じ土地を頼み候き。農夫は葡萄の蔓の列が橄欖の木の傍らに捩る野を耕し、下の鉱物に富む地より糧を引き候き。重き鍬にて土を返し、靴は黄昏までに塵の層を帯び候き。集められたる収穫、茸、球根、堅果は、釉の瓶の中に貯へられ、暗く割れたる麺麭の傍らの頑丈なる棚の上に置かれ候き。鍋は火の上にて幾時間も煮え、その味は木の匙の各の廻りにて深まり候き。夕の温もりの中にて、手は生地を働き、粉の板の上にて捏ね、忍耐と糧の日々の儀式に候き。

隠者の灯はこの謙りたる宝を明かし候。庭の移植ごての滑かなる柄、粘土の器の縁、数珠の上の彫られたる玉の輪郭に候。各は世への錨、労働にて形作られ、静けき注意にて意味を与へられたる物に候。杖は単に支へのためにはあらず候。この道を歩き、足の下の道を頼みしすべての者の思ひ出に候。

今日、隠者の方向へ歩むため、人は朝のなほ涼しき間に炉または戸口を掃き、足の下の締められたる土または木を感じ候。庭に跪き、素手にて土を返し、または地より今引きし野菜の根より汚れを払ひ候。珈琲、堅果、または乾きたる香草を手にて碾き、動きと香りの旋律に気付き候。木の道具または刷毛を取り上げ、作り、繕ひ、または単に時にて作られたる物の肌理を感じ候。

高き道は、常の物を尊び、近く真なる物へ寄る者に属し候。灯の小さき円は、次の一歩を見、手の触れ得る物の中の値を見いだすに足り候。

今日の色は赭に御座候。
Lucky Color: Sienna — #A0522D静けき道は土と仕事の賜にて敷かれ、貴殿は要る物を携へ、心して目的と共に歩み候。

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