Colors for the Fool

今日の色を、牌より引く

牌を引く / 教皇

教皇の砂色。中央の鏡に色が映る絵

砂色

逆位 · #F0E68C

教皇は柱のあひだに坐し、手の中に輝く交はりし鍵をもつて式を主宰し候。玉座は伝統より築かれ、世紀の重みを負ひ候。されど逆位の牌にては、絶えぬ繰り返しが空洞さをもつて響き始め候。言葉は語られ、蝋燭は灯されども、意味は織物の後ろへ滑り候。衣は緩く掛り、仕草は正しけれども空しく候。これは異端には御座なく、疲れに候。古き模様への問ひに候。

かつて会衆の雷のありしところに、夜明けの練兵の場の静けさあり候。塵は靴の周りに渦にて立ち上り、紐は何度も結ばれて繊維は柔らかく馴染み候。兵は列に立てども、眼はさ迷ひ、教練にては御座なく足の下の地を覚ゆ候。この制服は、祝ひのためには御座なく、広き平原と乾きし丘とに溶け込むために選ばれし布より縫はれ、別の物語に属し候。戦のための、大なる殖民の企てのための、沙漠を越ゆるための、仮の天幕の下にて季節風の雨を待ち明かすために発明され候き。その呼びの意味は塵にて、最初の家は祭司には御座なく、仕立屋と兵站の手の中に候き。

かつて英領印度の影にて、この布の巻は見慣れぬ名の押されし箱にて船にて送られ、風が遠き種子の香と、打たれし杯の中にて冷えし茶の味とを運ぶ前哨へ向かひ候き。布は、異なる動きを学ぶ人、指揮官の命令と同じく地の沈黙を読む人によりて着られ候き。適応の色、掟のあひだを動く色と成り候き。全くの家にも、全くの異国にも御座なく、生き延びの問ひのほか誰の問ひへの答にも御座なく候き。式の聖さは働きの必要の下に褪せ候き。裂けを繕ふ速き縫ひ、打たれし錫にて汲む水、礼拝堂にては御座なく、収められざるほど広き空の下に囁かるる祈に候き。

他所にて、季節風は到り、地は霞を投げ上げ、厚く近く候。作物は曲がり、ほとんど収穫のために備はり候。粟と草の畑、その茎は強きて乾き、眠る家の息と同じ調子にて動き候。かかる日、空気は待ちにて満たされ候。女は木と木とのあひだに張られし綱に洗濯を掛け、街の塵と藁の筵の掻きとを知りし衣に候。子どもは種子の莢を集め、掌は土にて汚れ候。日は織りし日覆を通じて濾し、古き敷物の横たはる床に斑を落とし、擦り切れども頑丈にて、長き午後と、語られて再び語られし物語の重みとの記憶を保ち候。

男は閾にて靴を磨き、刷毛の毛は昨日の道の跡を上げ候。どこかに、米は打たれし鍋にて煮え、香は立ち上り、素にて候へども揺るがず候。市にて、穀物の袋は積まれ、その皮は養ひの約束、式を求めざる類の静なる豊かさに候。ここにて、意味は再び習ひより、布の折りより、縫ひ目の繕ひより、卓と鉢との据ゑより作られ候。これらは、古き儀式がその声を失ふときに残る式に候。

今日、貴殿は古き靴の一足より塵を拭ひ、好みの上衣の裂けを繕ひ、あるいは単純なる食事を掻くあひだ木の匙の木目の上に手を休らはせ候。窓を温く絶えぬ空気へ開き、綱の上の洗濯の揺るるを見候。

今日の色は砂色に御座候。
Lucky Color: Khaki — #F0E68C頑丈なるものを着、あるいは天候を貴殿の師となし候。

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