Colors for the Fool

今日の色を、牌より引く

牌を引く / 恋人

恋人の晒白。中央の鏡に色が映る絵

晒白

正位 · #FFEBCD

二人の姿は庭の中央にて会ひ、双方が骨に感ずる選択の引力に引かれ候。足元の古き地面は花弁と粉の土にて柔らかく、この場への門は鎖されず、隠されず候。空気は温かく、新しき育ちと実と、石の上の雨の淡き記憶の香にて貫かれ候。二人は二本の古き木の天蓋の下に立ち候。枝は、誓の言はれ得る場、あるいは二人が前へ踏み出し、澄みたる目にて互ひを選ぶ場を覆ひ候。まはりにて、静けさは空虚には御座なく候。期待に候。言葉の前の休止、縁の前の息に候。

この牌の世界は、結びの静かなる起源と響き合ひ候。それを満たす物は、必要なると同じく目立たず候。ここに、籠が草の上に坐り候。葦より手にて編まれ、扁桃にて満たされ候。殻は沸く水にて柔らかくされ、粗き皮より滑り抜け、亜麻の上にて冷やされ候。遠き木立にて、家族は収穫のときこれらの実を集め、木の下の広き布に広げ、やさしき午後の光にて乾かさせ候。これらの集まりは急がれず候。従兄は水の瓶を渡し、叔母は物語を語り、歌は野を渡り候。音の実と空洞の実を分ける扁桃の選択は、単純なる労に候。されどもその中に、献身の類が御座候。世話し、分ち、味はふ用意に候。

この庭も、歴史にて形作られ候。昔、隊商は日の当たる谷より次の谷へ旅し、扁桃の袋と晒されざる綿紗の反物を運び候き。布はその柔らかさにて貴ばれ、婚のために広げられ、あるいは愛する者への贈り物を包むに用ひられ候き。僧院と厨にて、料理人は扁桃を晒し、菓子のために碾き、あるいは油のために圧し候き。晒す行ひ、やさしき熱、水、辛抱の手は、実を変へ、柔らかく供へらるる用意をなさしめ候。世話の小さき印に候。結びを支えるのは、大いなる仕草には御座なく候。これらの静かなる献身に候。かく折られたる布、開けたる空の下にて共に味ははるる一握りの実に候。

同じ柔らかさを天候の運ぶ場が御座候。地中海の丘の穏やかなる春の朝、風は海より涼しく来たり、果樹園の葉より露を乾かし候。農夫は戸を開き、碾きたる扁桃にて作りし麺麭を出し候。皮は割れ、内の柔らかき肉を見せ候。高地にて、旅の人は淡き天幕を掛けたる道端の店にて足を止め、実の形に作られたる扁桃の菓子を味はひ、旅の続く前に甘さの一瞬を分ち候。ここの世界は、小さき行ひにてやさしくなされ候。分かつ菓子、二人のために設けられたる卓、静かなる合意にて会ふ手の温みに候。

今日、人は扁桃を熱き水に浸し、手にて剥き、粗さが滑り去る易さに気づくもよく候。別の人は、織られたる亜麻の布巾にて卓を設け、誰かを麺麭や実を分かつに招くもよく候。夕に、最も柔らかき風のため窓を開け放ち、近くに坐り、文を書き、あるいは布を心を込めて折り、小さき行ひに縁の始まりを印させるもよく候。

今日の色は晒白に御座候。
Lucky Color: BlanchedAlmond — #FFEBCDやさしき招きは空気に残り、答へを待ち候。

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