牌の輪は回り候。古き印にて印され、力と見との姿を冠に戴き候。正位にて昇る時、約束は巡り、運の偏らぬ行進に候。逆位にては、巡りは滞り候。縁は意図ある手に押され、次の章を保つか止めんことを望み候。ここにて、力は上へは流れず、地の重みと記憶を求め候。世界が回り続けるとも、変りに抗ひ残るものへの慕はしさに候。
同じ名の古き都、錫耶納の近き畑にて、土は世代の手にて集められ形づくられ候。橄欖の木と地中海の空の広がりとの下、地はその贈にて知られ候。細かく密なる土、工人は川岸と丘の斜面よりこれを掘り候。掌を染め、篩はれ、編み籠にて工房へ運ばれ、壁画と器の基と成り候。窯の火は夜を通して輝き、圧したる土を永きものへ変へ候。中庭の瓦、水の瓶、扁豆と野の蜜のための鉢に候。この土は顔料にして物質、祭壇の壁へ、礼拝堂の天井を飾る絵具へ、村の家の卑しき炉へ道を見出し候。田舎の印、労にて固定され用をなすものの印に候。その色は赭に御座候。
天候はこの丘の上を来り、移り候。晩夏、塵は空気に昇り、地の香は遠き炉の煙と混じり候。牧人は、黄昏に畑を横ぎる時、長靴に附き筒衣を染むる仕方にて、これを知り候。世代の昔に形づくられし屋根瓦は、突然の雨より家を守り候。市の広場にて、古き商は集ひ候。陶工、瓦師、画人、各々は土を整ふる調理、亜麻仁油か石灰と混ずる秘の割合を、家族の近くに保ち候。輪が下へ回る時、この技は間を、錨を、滑り去り得るものを静むる手を、思ひ出させ候。
朝、焼師は粉にて板に塵を振り、同じ自然の顔料にて染められたる土地の亜麻の布を広げ候。竈より出づる丸き麺麭は、石よりの染を帯び、皮は深く養ふ温みの約束にて割れ候。近き、歳月の用にて慣れたる厨の乳鉢は、煮物のための薬草を碾き、鉢には数へ切れぬ食事の記憶が刻まれ候。この小さき儀式、混ずること、形づくること、緩き焼成は、一瞬運を静止させる仕方、予測しがたきものに対し日々を堅くする仕方に候。
今日、輪を定め運の間を引かんとならば、貴殿は掌を庭の土へ押し、その涼しさが思ひを緩むるを感じ候。土の器にて煮、熱と忍耐の古き仕方を尊び候。家に瓦か石を据ゑ候。あるいは土を基とする墨に浸したる筆にて手紙を書き、定かなる線の内に願を封じ候。
今日の色は赭に御座候。
Lucky Color: Sienna — #A0522D工人が土を保つ如く、優しく、かつ意図を以て、一日を保ち候。