Colors for the Fool

今日の色を、牌より引く

牌を引く / 運の輪

運の輪の石鼠。中央の鏡に色が映る絵

石鼠

逆位 · #708090

古き物語にて、輪は十字路の上を回り、蛇と雲を通され、運の点は各々の方角の印にて印され候。されど逆位の様にては、輪は自ら震へ、自らの動きに抗ひ候。手、貴殿の手が、輻に強く押し、巡り終らぬ前にこれを止めんと急ぐが如くに候。偶然の誘惑は荷と成り候。運の回転は重く成り、定かならぬものがさらに割れ散るを留めんとする衝動に候。

石工が地より塊を引きし古き石切場を思ひ候へ。道具は石に鳴り、塵は黙せる柱にて昇り候。各々の石板の瓦は彫られ、積まれ、家を葺くか炉を縁取るために別に置かれ候。各々の重みは、構造の中へ記憶を押し候。この板には永きものが御座候。山腹の層か川床に見出され、幾世紀にて層を成せしものに候。雨の落ちる時、板は冷き光にて輝き候。されど乾きたる天候にて、触れれば殆ど柔らかく感じ候。定かにして頼むべく、世界の緩き変りを静かに吸ひ候。その色は石鼠に御座候。

高地にて、天候は荒地に沿ひて低く黙して来たり、石南と羊の毛を湿らせ、頭上に雲を集め候。運の退きし如く感ずる朝、空は足の下の石に合ひ候。牧人は尾根を歩き、長靴は世代の前に残されし敷石に擦れ候。石板の屋根の下に立ち止まり、頭上の風の執拗なる論、記憶より古き会話を聞き候。風景は忍耐を主張し、すべての巡りが途切れず回るには及ばぬこと、次の嵐の前に庇ひを築く間の要ることを教へ候。

厨の内にて、巧みたる手は棚より板を引き候。面は、麺麭を切り林檎の芯を抜きたる歳月にて擦れ候。茶瓶は板の上に落ち着き、その温みは緩く滲み、密にして涼しき材料の中に保たれ候。力が散りし如く感ずる時、この器具、まな板、屋根の瓦、古き球戯台の重き面は、地に着きし感を渡し、輪の無謀なる回転を緩める触覚の思ひ出に候。ある町にて、石板師は嵐の後に屋根へ攀ぢ、欠けと割れを調べ、風の移したるものを替へ候。業は慎み深く意図あり、各々の動きは、次の測りがたき突風に対し庇ひの保つことを確かむるに必要に候。

輪を止めんとする願は、常に動きの拒否には御座なく候。揺るるものを定め、息を集むるに足るだけ降りを止めたき慕はしさに候。隠れたる庭にて、苔は敷石のあひだに育ち、静かなる増しにて時を印し候。都にて、入口の石段は数へ切れぬ靴の土を集め、すべての欠けと溝に物語を保ち候。いづれの所にても、同じ理は保ち候。耐ふるものは、間を置き、観、いつ行ふかを選ぶ手にて形づくられ候。

今日、貴殿は石の台に掌を休め、世界の涼しき静止が骨へ沈むを感じ候。玄関の石板を清め、砂と葉を掃き、新しき到来のための場を作り候。卓にて、昼のために古き石の皿か板を使ひ、食物を心を用ひて並べ、手の下の堅さが、残るものを思ひ出させ候。空の重きならば、外へ出て、屋根の上の雨の後に従ふ静けさを聞き候。一瞬の静かなる重みを、貴殿の錨となし候。

今日の色は石鼠に御座候。
Lucky Color: SlateGray — #708090石の定かなる在りかは今日の決を導き、貴殿の最も要る所に間は御座候。

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