Colors for the Fool

今日の色を、牌より引く

牌を引く / 悪魔

悪魔の濃金。中央の鏡に色が映る絵

濃金

正位 · #B8860B

悪魔の正位の牌の心にて、台座は昇り候。玉座としてには御座なく、鉄床として候。重く、固く、多き打ちの跡を帯び候。鎖されたる姿は屈するも、枷に熔け合はず候。握りを緩むる単純なる行ひにて、鎖はたるみ落ち、逃れは可能と成り候。されど、それを明らかに見るときにのみ候。欲望は松明の如く燃え、祭壇の上に高く持たれ、その炎は警告にも招きにも候。光は壁に揺らぎ、世界の広さには御座なく、最も近く立つものの正確なる輪郭を照らし候。収穫の後の畑、立ち残されたる乾きたる茎、それらより、冬を越す獣を養ふか、要る火を熾すかするために集められたる束に御座候。

野生の草原の開きたる空間と、古き農家の後ろの垣とに沿ひて、草が御座候。茎は高く、穂は晩夏の風に波打ち候。この茎は、かつて摘まれ乾かされ、箒の柄、庭人のぐらつく梯子、または小さき小屋の肋の支へに定められ候き。同じ草は、碾かれ篩はれ、染める人の手へ入り候き。銅の鍋に浸し、重き羊毛の外套、または儀式の帯の細かき刺繍に、物語を錨する顔料を望み候き。羊飼は、群れがこれらの茎の斑を過ぐるを見候き。羊は時に花を齧り、季節の厳しく転ずるにつれて健やかに保つと、ある人の信ずる習慣に御座候き。

早き町の商人は、これらの茎を束にて仲立ちし、穀の袋と蜂蜜の樽との傍に括り候き。茎の一つ一つは、晩夏の豊かさの印、来る寒さへの賭に御座候き。歴史は、医術での用を記録し候。煮られ、濾され、湿布に圧され、疲れたる関節と打撲との民間の薬に御座候き。茎は縁に育ち、飼はれず、常に近く、より大なる身振りより長く残る、執念と静かなる用との紋章に御座候き。ある民話にて、これらの茎は垣の巫の手の杖と成り候き。支配の道具には御座なく、明晰の道具に御座候。幻を掃き除け、渇くものと選び得るものとのあひだに境を印すために用ひられ候き。

牌の松明は、晩秋の日に天候の突然持ち上がるさまを思ひ出させ候。空は晴れ、道は最後の乾きたる草にて縁取られ、茎の一つ一つは斜めの光にきらめき候。そこを歩くことは、動きの悦びと、肌を噛む冷き空気の節度とを知ることと成り候。風は鋭く清く、茎の中を鳴らし、境の中の自由を語る音楽を作り候。欲望の実の形を、聞く者に思ひ出させる旋律に御座候。

台所にて、木の蜂蜜を掬ふ匙が黒き麺麭の傍に坐り、両方とも田舎を形づくりたる実用の技を思ひ出し候。近くに、年月の香草の碾きにて染みたる擂鉢と擂粉木とが、棚の上に休み、かつてこの草の繊維より撚られたる縄の巻の傍に御座候。松明の光は、古き道具の輝きに映され候。切り縛り、要るものを、人を地に縛るものより分かつために用ひられ候。

今日の牌の流れとともに動きたきならば、貴殿は手製の箒にて家を掃くか、近き畑より落ちたる茎を集め、括りて、御し得るものの思ひ出とすかに御座候。乾きたる花を日記の頁のあひだに圧すか、茎を温き水に浸して謙遜なる浸出とし、畑より手へ運ばるるものを味はふかに御座候。貴殿の視線を、常に待ち、仕ふる支度のありたる柄と道具とに落ちつかせ候。鎖は、忘れられたるときにのみ鎖に候と知りつつ候。

今日の色は濃金に御座候。
Lucky Color: DarkGoldenRod — #B8860B古きものは定まりたる手にて新しき意味を得、道具は形の上に、見ようとする意志に御座候。

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