Colors for the Fool

今日の色を、牌より引く

牌を引く / 隠者

隠者の雪白。中央の鏡に色が映る絵

雪白

逆位 · #FFFAFA

姿は風に噛まれし尾根の頂に立ち、冷気を遠ざくるための袍に包まれ候。手の中の灯は、かつて谷の上に瞬く灯台にて、今は暗きに候。隠者はこの山に留まることを選び、下へ螺旋する道へ背を向け候。下の世は包まれ、遠く、晩冬の天候の層の下へ掃はれしかのごとくに候。呼びもなく、答もなく、表面が彷徨ひを記すに足るだけを与ふる所の、靴の砕くる音のみに候。その覆ひは雪白に御座候。

ここにて、世は沈黙に覆はれ候。空気は生にて鋭き味にて、なほ露はれたる各の枝、各の石は、凍りし帽を纏ひ候。古き物語にて、山の隠者は知恵のためかかる夜に立ち向かひ、長き外套と毛皮の帽に包まれ、唯一の伴は沈黙と、朝の結晶の沈黙に候き。されど知恵も、障壁と成り得候。ある村にて、人はかつて屋根より吹き溜まりを集め、水のため溶かし、触れられぬ粉雪の触れが運と清らかさを運ぶと信じ候き。別の時、旅人は橇にて出で、深き沈黙が声の届くより遠く思ひを運ぶことを頼み候き。風の止まるとき、唯一の音は移る皮、吹き溜まりが吹き溜まりに対する脆き音楽に候き。

かかる毛布の毎年落ちる所に築かれたる町御座候。人の動きと休みの仕方を形作り候。静けき朝、街は広き雪掻きにて清くされ、子らは早く目覚め、手袋の手にて新しき模様を辿り候。焼職人は黎明の前に起き、外の世のなほ鎮まる間に窯を灯し、空の明るくなるにつれ麺麭は膨らみ候。この中に儀式御座候。毛布を振ふこと、靴が残りを内へ辿らぬやう入口の近くに織られたる敷物を敷くこと、煮汁の鍋を煮えしむることに候。各の行ひは、沈黙と平和を成す仕方、外の世が距離を保つ所へ温もりを運ぶ仕方に候。

高き牧場にて、牧る者は表面の形にて道を記し、他のすべての目印の消ゆるとき土地の伏しを読むことを学び候。獣さへ違ひて動き、蹄と足は層の皮の中へ押し、下のより定まりし地を見いだし候。ある伝へにて、長老は最初の霜を、物語を集むる印、解けまで灯を燃やし続ける印として思ひ出し候。されどここにて、灯は灯されず留まり、物語は内へ向けられ候。下ることを拒むことは己の旅と成り、距離は住む所と成り候。

貴殿がかかる静けさの中に己を見いださば、最も冷たき栓より引きたる水にて鉢を満たし、寝台の傍らに置き、凍りし世の小さき響きとなし候。貴殿の持つ最も厚き毛布の中に身を包み、日の始まる前に静けさの貴殿の上へ落ちるに任せ候。送る意図なき文を、隔たりの瞬間に見いだしし平和または寂しさについて書き候。あるいは、単に最初の光に外へ出で、鋭き空気を吸ひ、すべてが再び始まる前に世の己を鎮むるさまに気付くひとときを、己に許し候。

今日の色は雪白に御座候。
Lucky Color: Snow — #FFFAFA貴殿は要る所に静けきを、望む所に温もりを見いだし候。

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