卓は開きたる空の下に立ち、その面には四つの物の置かれ候。細き棒、杯、刃、重みある円盤に候。上にて、庭の蔓の拱は生きたる屋根を織り、巻きたる豌豆と朝露とにて重く候。下にて、地は柔らかき芽と巻く葉とに道を譲り、地の辛抱強き仕事は上の世にて形を見いだし候。方士の手はその間に伸び、指は気を辿り、空より土へ、種子より花へ、力を引かんとするが如くに候。
古の語りにて、棒は榛の杖となり、蛙の広き葉の下に隠れ、蜻蛉の浮かぶ川岸の縁より切られ候き。杯は瓢より彫られ、古き柳の木陰にて乾かされ、その碗は切られたる蕁麻と薄荷との香に浸され候き。刃はかつて職人のものにて、その小屋は苔の石に厚く生え、雨の気を涼しく湿りて塗る斜面の上にあり候き。銭は丸く重く、最初の収穫より押され、その印はなほ熟れつつある麦と、農夫の手の握りとの記憶にて鋭く候。
方士の力は、地の静かに息するところに落ち着き候。春の雨の後の丘、気は詰草の香にて厚く、風は今し方始まれる麦の野を柔らかく動かすところに候。野生の酸模に縁取られたる森の空き地、羊歯のほどけ、静けさは遠き鶫の呼びにのみ破らるるところに候。ここで上は下に合ひ、土の下の種子は日へ押し、枝は下へ拱をなし、新しき実を供し候。神話にて、杜松と柊とに縁取られたる路は、夢の根づき育つところへ導き、一歩ごとに苔と、古き木の落ちたる針とによりて和らげられ候。
高き壁の後ろに閉ざされたる市の庭は、己の種の術を保ち候。夜明けに、露は新しき萵苣と鼠尾草とに集まり、小さき蝸牛は羽衣甘藍の縁に沿ひて輝く路を辿り候。方士は、働く者の袖にて、壌土へ手を掘り、蔓を格子に沿ひて誘い、あるいは厨の窓の近くに胡椒草の小さき鉢を置くことも候。各の身振りとともに、変はりの約束は気に残り候。茶瓶の中の一枝、卓にて莢を剥きたる豌豆の一掴み、香を付けたる米の周りに葡萄の葉を丁寧に畳むことに候。
南よりの風は刈り草と乾草の匂ひを運び、それとともに、手にあるものより新しき始まりの形づくられ得るといふ感を運び候。食料の間にて芽吹きたる葱、羹の中の和蘭芹の一掴み、葦より編みたる箒に候。家にて、小さき業は方士の道具に響き候。羅勒を碾く乳鉢、幸のために子の掌へ押されたる銭、次の長き旅のために滑らかに削られたる杖に候。それぞれは通路となり、意が世を形づくる道、業が根づき実をなす道に候。
今日、人は芝生あるいは野生の場の静かな区画を見いだし、茶のための薄荷の枝を集め、鉢に豆を幾つか植ゑ、あるいは新しき香草の一掴みより始まる食事を用意することも候。家の植物を世話すること、窓の傍らに羊歯を並べること、あるいは和蘭芹の瓶にて気を清むることは、方士の模様を日々の生へ延ばし、尋常なるものより変はりを引き候。
今日の色は緑に御座候。
Lucky Color: Green — #008000意を根より花へ動かし候へば、四つの道具は備はり、貴殿も備はり候。