一人の騎手は淡き地を横切り、地平に朝の最初の兆しの昇るあひだ、二つの巨大なる塔のあひだに馬を導き候。手には多くの花弁の花を持ち、告別と新しき始まりの道を印すために残されしものによく似候。光景は簡素にて静かにて候へども、何も凍り候には御座なく候。空気は、次のものの始まる前に来る沈黙に満ち候。塔は変はりの門の柱の如く、一つの物語の終わり、別の物語の描かれ得る瞬間を枠取り候。馬の蹄の下にて、昨日の景色は掃き清められ、夜の霜、あるいは冬の遅き雪があらゆる印を覆ひ、暁に新しき跡のための用意をなせしやうに候。この覆ひの色は白に御座候。
神話と記憶は、これらの早き時刻に集まり候。北方の地の物語にて、長き冬の後の最初の日は、野と生垣を消すやうに見ゆる覆ひをもたらし、見慣れたる世を異様にし、新しき計画へ開き候。牧人は外へ出で、柵と足跡が吹き溜まりの下に消えしを見出し、この瞬間を用ひて新しき境を設け、以前は届かずと見えし場所へ群れを導き候。古き地中海にて、人は最も早き扁桃と百合の花を、戻りのしるしとして迎へ候き。喪は更新へ譲る行ひなるしるしに候。これらの花は繊細にて候へども執拗にて、墓と揺り籠とをともに印し、別れに一輪を供へ、あるいは新生児の命名の盃に置かれ候き。
それぞれの家にて、通過は儀式にて尊ばれ候。卓に広げられし亜麻の布、一日の最初の食事の前に撫でられし口拭、葬りのために愛する者の周りへ念入りに巻かれし屍衣に候。これらの器物は、手にて作られ、世代を経て渡され、敬意と手放しとの感じを伴ひ候。僧院にて、僧は暁に磁器の皿へ麺麭を置き、窓縁に早き雪の落ちる如く小さき柔らかき仕草にて沈黙を破り候き。皿は変はりの器にて、常のものを抱き、しばしそれを聖なるものとなし候。
天候そのものも、しばしばこの転回に加はり候。ある朝、霧は谷を満たし、見慣れたるものを薄く移ろふ帳にて覆ひ候。この帳の下にて、世は隠され、かつ新しく、章と章のあひだに心の休む時を与へ候。待雪草は、冬の終わりに硬き地を押し分けて出づる最初の花にて、変はりの脆き旗として鐘形の花を供へ候。季節の移るにつれ、朝食の卓に注がるる新しき乳の一杯は、簡き豊かさ、欠乏の時の後の養ひの可能をほのめかし候。
今日この牌と調ひて行はむには、日出の前の最も早き薄闇に外へ出で、涼しき空気が肌を印し、後に残さねばならぬもののために心を清め候。食事に坐る前に布を念入りに折りて置き、あるいは入口の近くに小さき花を摘みて置き、更新の静かなる約束となし候。温き乳を盃へ注ぎ、緩く飲むために休らひ、ありしものと次に来ねばならぬものとのあひだの休らひを尊び候。
今日の色は白に御座候。
Lucky Color: White — #FFFFFF静かなる儀式は新しき輪郭の道を開き、始まりは帳の向こうに待ち候。