Colors for the Fool

今日の色を、牌より引く

牌を引く / 正義

正義の火赤。中央の鏡に色が映る絵

火赤

逆位 · #B22222

正義の像は大理石の椅子に坐り、剣は直立し、双の秤は片手に均衡し候。椅子の空に成るまで、法と真実は光る対称にて揺るがぬ如く見え候。今日、広間は冷たく、席は空に、秤は定むる手なく揺れ候。足音の響は褪せ、要る証人が欠け候。過程は整ひ候へども、誰も語らず候。法は立ち候へども、壁の中の空洞の煉瓦としてのみ、窯の中の瓦として、据ゑられ焼かれ候へども、最も要る所にまだ置かれず候。その煉瓦の色は火赤に御座候。

かつて、古き都にて、石工は長き列にて塊を焼き、煙は屋根の上に巻き候き。各々の煉瓦、泥の川岸より堅き壁まで、秩序のためのもの、熱を内に保ち嵐を遠ざくるためのものに候き。煉瓦は、粘土を押しし手、夜を通して輝きし窯の物語を保ち候。されど時に、煉瓦は火より余りに早く引かれるか、誤りにて別に置かれ候き。半ば築かれし家の隅にて、待ち、業は懸り候き。炉は終へられず、温みは決して収められず候き。一片の欠けたるがゆゑに候。

忘れられたる路の上、炉は廃墟に坐り、あるべきものの思ひ出に候。雨はその面を窪ませ候へども、苔の下、古き窯の業は耐へ候。ある村にて、煉瓦を作る伝統は静かなる労として耐へ、鋤の拍子と塵の上の水の嘶に候。煉瓦師の業は、家の築かれたる後は見られず候。されど要石の残されるならば、拱は敗れ候。逆位の正義はそれに似候。形は在り候へども、要る部分、在席、参加、真実の認めは、欠け候。

他の所、乾きし平原にて、遠き窯よりの煙は働きの日の始まりを示し候。空気は鋭く、地は日と炎とにて同じく硬く焼かれ候。ここにて、技は伝へらるる系譜、誇と生存のことに候。火は単なる燃料には御座なく候。変容、泥と石との差に候。窯の主は、急に焼かれし煉瓦が誤れる場所に据ゑらるるならば、構造全体を脅かし得ることを知り候。過程の不在、欠けたる工人か、逃されし段かは、壁の内に隠れたる弱さへ導き候。

家にても、煉瓦の記憶は庭の路より麺麭の竈まで伸び候。厨にて、麺麭は熱き面の上に置かれ、皮は古く焼かれし床に対して成り候。竈の空洞は封じられ、すべての片は結ばれねばならぬことに候。さなくば温みは漏れ、麺麭は敗れ候。誰かが儀式より欠くる時、かつて火を世話しし手が在らぬ時、常は意味を失ひ、食事は全きものより少なく候。

人は炉を掃き、準備の感を戻し候。あるいは温き石積に手を押し、蓄えられたる炎の記憶を感じ候。誰かは庭の路の小さき一区を築き直し、煉瓦の緩きか欠けたる所を探し候。もう一人は生地を捏ね、膨らむために置き、竈の熱が頂に達するを待ち候。安全なる所に小さき火を点し、変容を目撃する一瞬を取り、真の成就に要るものを心に留め候。

今日の色は火赤に御座候。
Lucky Color: FireBrick — #B22222貴殿の家は堅く立ち、要る在席の欠けぬことに候。

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