片手に挙げたる剣、もう片手に均衡せし秤、姿は掛けられたる帳の前に坐り、頭上に日の光、空気は動かず候。正義の室にて、席の後ろの布は背景以上のものに候。境、常の世界と勘定の世界が共にここに遇ひ、されど別たるといふ印に候。光の注ぐ時、疑ひの隠るる隅はなく候。卓の上に置かれたるすべては、調べられ、篩はれ、量られねばならぬことに候。各々の行、各々の答は、帰結と面と向かひて遇ひ候。その布は亜麻に御座候。
この掛けられたる布は、大理石の広間より遠き所に始まる、静かにして忍耐ある労の結果に候。物語は、草の茎が慎みたる列にて高く立ち、開けたる空へ向かふ畑より始まり候。季節の後に季節、粗き茎は地より引かれ、束ねられ、露と日の光の下に和ぐるために残され候。過程は緩く候。茎は浸され、打たれ、割られ、梳かれ、各々の段は定かなる手にてなされ候。この業の後にのみ、長く強き繊維は紡がれ織られ、布と成り候。平らにして耐久、その耐久と形を保つ仕方のゆゑに貴ばるる材料に候。
歴史はこの布を、賑はしき市と古き隊商の路を通して辿り候。商人は反にてこれを交易し、多くの洗ひを通して保ち多くの用に仕ふる力のゆゑに貴び候き。判者の衣、卓の覆ひ、麺麭の包、慎みたる書の基と成り候き。書記は重要なる記録のためにその端を頼り、契約はその織の内に畳まれ封じられ候き。布は生の印を帯び候。畳みよりの皺、墨か果実よりの染、針と糸よりの補ひの箇所、各々の欠点は原因と結果の型への微かなる証に候。
草のかつて育ちし所、畑は直き畝と収穫の拍子にて印され候。切り、集め、積むことに候。農人は定かに働き、各々の段が次に影響することを心に留め候。ここの天候は優しく、緩く均しき熟れを約束し、忍耐と偏らぬことを報ゆる種類に候。家にて、仕上がりし布は綱より下ろされ、柔らかく清く、食事、銭の勘定、あるいは手紙の書のための場として卓に広げられ候。常にして儀式、日々の生の一部にて候へども、勘定の時にも在り、正直なる交換のための面を定め候。
世界の古き港にて、この布の俵は大陸のあひだを旅し、香料、金属、遠き地よりの物語と交易され候き。箱の内を張り、貴重なるものを包み、法を語る者の襟と袖に現れ候き。内々の部屋にすら、その在りかは静かなる思ひ出に候。公平は壮大さにて保たるるには御座なく、物を秩序に保つ卑しく続き行く業にて保たるることに候。
今日、正義と歩を揃へんとならば、食す前に清き布を貴殿の卓に伸ばすことを考へ候。あるいは新しき紙に手紙か箇条を書き候。外を歩き、慎みたる手にて整へられたる畑か庭に気づき候。あるいは好みの衣の擦れたる箇所を繕ひ候。この小さき行は、より大なる型の中の糸、公平を毎日へ織り込む仕草の響に候。
今日の色は亜麻に御座候。
Lucky Color: Linen — #FAF0E6貴殿の敷く布は正直なる勘定の始まりにて、均衡は心を用ひて整ふるものの中に御座候。