牌の面は剣を示し候。直く揺るがず、いづれの側へも揺れぬ秤にて均衡し候。重き布は背景に掛かり、その肌理は移ろふ蔭と定かならぬ光を遮るに足る密さに候。正午にて、日の位置は疑ひを残さず候。ここにて、原因も結果も隠れず候。共に明らかに我らの前に置かれ、同じ卓を分ち、いづれも言訳か曇りし隅の後ろへ退き得ず候。その金属の色は鉄青に御座候。
剣の刃は、古き港の鍛冶の業を思ひ出させ候。男と女は確かさにて鉄を打ち候き。その工房より、船の金具、錨、鋲にて留めし道具が出で候き。湿りし風と鹹き空気に耐へ、常に頼むべく、決して滞らぬものに候き。霧の上がる朝、波止場の者は涼しく仕上がりし欄に手を走らせ、金属の定かなる約束を信じ候き。鉄道の軌もまた、この合金より作られ候き。線は直く揺るがぬ路にて伸び、旅人と貨物を都より都へ、滞りも逸れもなく導き候き。
秤は、精密なる道具師の作業台を喚び候。欧羅巴の静かなる隅にて、工人はかつて同じ金属より量り皿と螺子を作り、手にて形づくり、均しさと真実を確かめ候き。測径器の組か、信じらるる厨の秤、世代を通して渡されしものは、同じ材料にその長命を負ひ候。錆に抗ひ、変る天候の下に定かに候。午後の嵐の過ぎ、空の明るく澄みたる時、川石は波打つ水の下に自らを現し、隠されも歪められもせず候。波止場の漁人は漁を分け、各々の魚を開けたる空気の秤の上に置き、言葉なく論を定むるために測定を信じ候。
坐る姿の後ろの布は、鍛冶の前掛けの如く実用に候。熾と迷ひし削り屑より庇ひ候。あるいは法廷の窓に引かれたる覆ひの如く、事実を内に留め、散らすものを外に留め候。厨にて、この布はしばしば流しの傍の手拭として掛かり、擦れたる柄杓の金属を磨くか、麺麭の捏ねられたる後に粉を拭ひ候。都の工業の心にて、同じ金属の盥は鋳場の床に坐り、熱せられたる道具を冷やす水にて満ち、鉄と汗にて正義を形づくる者の手を宥め候。
川の縁の庭は、時に蝋の如き花弁の草を出し、石と水の遇ふ所の地に低く咲き候。花は鉱に富む土と流れの飛沫を要し、鞭打つ風と突然の温度の変りを通して残り候。集むる者と彷徨ふ者は同じく、この花を懐に挿み、遠き港よりの帰路に澄みをもたらすと信じ候き。交易の町にて、鉱石の車は雨にて擦り清められたる空の下、山の鉱より下りて音を立て候。中のものは、法と労の遇ふ工房へ向かひ候。
今日、貴殿は信じらるる秤の皿にて朝の麦を量り候。あるいは一生保つべく鍛へ仕上がりし金属の匙にて、茶を攪き候。鉄道の橋を過ぐるならば、涼しき軌に掌を置き、記憶を貴殿の中を通させ候。嵐の清めたるばかりの日へ出で、川の縁に立ち止まり、石の上を透明に走る水を見、思ひを返し候。古き盥か道具を見出すならば、しばしこれを清め尊び候。
今日の色は鉄青に御座候。
Lucky Color: SteelBlue — #4682B4澄みと公平は、貴殿の各々の行に侍り候。