天使の瓶は滑り、水は注ぎ出で、その足もとの塵を暗くし候。かつて忍耐と遅き配合とのありしところ、今は液が自らの道を見出だし、川の中へでは御座なく、川の傍に道を刻み候。制御は緩み、滲み去り候。卓にて、水差しは縁にあまり近く置かれ候。台所の手拭ひは湿り、染み、忘れられ候。かかる場面は、勤勉のよろめき、注意深き配合のために定められたるものが自由に走る時を印し候。
南の方、野生の草と石とより取り戻されたる畑にて、蔓はかつてその恵みを静かなる均衡に保ち候き。日と雨とは量られ、根は熱にて試され候き。されど、空の重さの破るる午後が御座候。雨の迸りを放ち、土を剥ぎ、季節の前に房を転ばせ候。風は葉を揺らし、地は落ちたる実にてまだらに育ち候。市の籠にて、あるものは傷つき、裂け、種は木に滑り候。農人は速やかに選び、運び得るものを救ひ、あまりの急ぎ、またはあまりの油断が、作物を損ない得ると知り候。
昔、旅人は種を海を越えて運び候き。袋に詰め、丁子、豆、家の小さき印の中に抱かれ候き。土の知られず、川の道の見慣れざるところに、何が育つかを知らずして、これを運び候き。新しき村にて、これらの種は自らの運を見出だし、台所の庭へ広がり、垣を越えて滑り、好むところに根を張り候き。育ちすぎの危きは常に御座候。多すぎ、早すぎ、または支度なき場所に御座候。祖母の卓の調理法は、時にまだ熟さざるもの、または鍋の中に裂くるものを求め、味は捕へらるる前に逃れ候。
南の町にて、午後の嵐のほとんど警告なく集まるところ、雨は錫の屋根を打ち、継ぎ目より漏れ候。窓は支え開けられ、土の香は切られたる茎と混ざり候。染みは窓の下の箱の下に集まり、滴は古き煉瓦に沿ひて曲がれる線を辿り候。かかる日、子どもは裸足にて走り、庭の落としたるものを集め、手は粘り、上衣は印され候。台所は刻む音にて満ち、皮と種とは掃き去られ、ある人が今夜の煮込のために足りるものを救はうとし候。
夕べの静けさにて、木匙は鍋よりぶら下がり、汁は縁に沿ひて濃くなり候。鍋を持ち上げるために用ひたる布は、台の上に積み、先のこぼれよりの筋にて印され候。瓶は開きて坐り、蓋は忘れられ、台に飛沫が御座候。食事はほとんど支度なるも、意図したるものにはまったく御座なく候。味付けは遠くへ傾き、甘みは煮汁を凌ぎ候。ある人はこれを味はひ、眉をひそめ、均衡の方へ戻すために塩の一撮みに手を伸ばし候。
落ちたるものを集むるために、人は嵐の後、庭へ入り、地に残るものを集め候。秩序の感を取り戻すために、台を清く拭ひ、開きたるまま残されたるものへ蓋を戻し候。熟しすぎたるものより単純なる汁を淹れ、何も無駄にせず候。最も柔らかき実を隣人へ差し出し、かつて注意の滑りしところを、寛仁にて和げ候。
今日の色は茜に御座候。
Lucky Color: Tomato — #FF6347均衡は小さき確かな身振りにて作り直され、こぼれの中にも明るきものは残り候。