Colors for the Fool

今日の色を、牌より引く

牌を引く / 節制

節制の小麦。中央の鏡に色が映る絵

小麦

正位 · #F5DEB3

一人が静かに立ち、一つの杯よりもう一つの杯へ水を注ぎ候。流れは絶えず、動きは定まり候。足の下にて、浅き水溜りは、まだ気分を決せざる空を映し候。遠くにて、狭き道は、光が解決を約束する尾根の方へ導き候。配合は仕事に御座候。それ自体の終はりには御座なく、ばらばらなるものがともに調和を見出だす道に御座候。

この道の物語は、広き大地の上に書かれ候。風は畑の中を、遅きうねる潮の如く動き候。ここに、茎は畝の地より昇り、頭は種にて重く候。麺麭にも儀式にも成る種に御座候。この草は、風景の心にて、同時にその歴史に御座候。季節の忍耐強き律を学びたる手にて、播かれ刈られ候。雨は降り、時に多すぎ、時に少なすぎ候。常に量られ、均衡し、量られ、一つの年よりもう一つの年へ注意深く注がれ候。

古き神話にて、これらの畑は、植ゑと収穫との巡りを見守る神のものに御座候き。石の祭壇に捧げられたる穀は、契約を印し候き。地より取らるるものは、変容ののち、生を養ふために返さるることに御座候。遠き村にて、子どもは刈る人の過ぎたる後、落ちたる頭を集め、小さき編みに織りて、運と豊かさとのために戸の上に掛け候。刈られ積まれたる茎の一つ一つは、時の量りにて、努力と信仰との静かなる配合の仕事の証に御座候。

台所の卓にて、碾き場の仕事は粉と成り、粉は日々の麺麭と成り候。これを捏ねる手は、前の手を思ひ出し、早朝の静けさの中に生地を形づくり候。水の一杯、塩の正しき一撮み、蜂蜜の一触、酵母の膨らむを待つことが御座候。窯より出づる塊は、畑の記憶と、食事の約束との両方を保ち候。飢えと満たしとのあひだの橋、地の仕事と手の仕事とのあひだの橋に御座候。同じ草より織りたる布が卓を覆ひ、丈夫にして素朴にて、多き洗ひと多き食事との跡を保ち候。

貿易風はかつて、遠き州よりの袋にて重き船を運び候き。中の穀は、町の麺麭屋と市の店とのために定められ候き。計算の室にて取引は結ばれ、運は一つの収穫にて昇り降り候き。これらの船の重さ、その渡りの定まりたる攪拌は、別の種の配合に御座候。商ひの川が、労働の川と会ふために流るることに御座候。古き旱と、豊かなる季節との記録が御座候。満たされ空にされたる倉の記録に御座候。行の一つ一つは、均衡は決して定まらず、常に保たるることを、思ひ出させ候。

天候さえ、これらの畑より合図を取り候。晩夏、空気は静かに熱せられ、土の微かなる香を運び候。黄昏、光は長く、脱穀する人の過ぎたるところより浮く塵にて、地平は和らぎ候。かかる天候にて、世界は立ち止まるやうに見え、集むることと与ふることとのあひだに、息を止め候。

今日、この動きの中へ入ることが叶ひ候。忍耐にて生地を捏ね、一塊を焼き候。手元の藁または茎より織りたる小さき編みを、貴殿の戸口の上に掛け候。畑の遅くして意図ある仕事を思ひ出すために、束を貴殿の卓に置き候。あるいは開きたる土地の中の道に沿ひて静かに歩き、二つの杯のあひだの水の如く、貴殿の手のあひだを時の過ぐるを感じ候。

今日の色は小麦に御座候。
Lucky Color: Wheat — #F5DEB3均衡は忍耐にて、混ぜたるものは残り候。

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