Colors for the Fool

今日の色を、牌より引く

牌を引く / 方士

方士の臙脂。中央の鏡に色が映る絵

臙脂

逆位 · #800000

卓は午後の影の中に立ち、取引の物を以て設けられ候。杖、杯、刃、銭に候。方士は、この逆位の光の中にて、各の片が魅せられたるが如く滑り、各の目的の定かならざるを見いだし候。杖は硬くなり、指揮の棒より槌の如く候。杯の縁は粗く、水に非ず秘事を保ち候。銭は回され、縁にて着地し、側を取ることを拒み候。刃は鋭さの要るところにて鈍く、割ることのみの呼ばるるところにて切り候。室は物にて満たされ候。されどその性質は変はりたる如くに候。道具は手品となり、意は示しの中に失はれ候。

外にて気は重く、遠き嵐の香あり候。これは颶風の空模様にて、遠き海岸より内陸へ転がり、木を打ち、野を平らにする類に候。島と植民地の辺境との歴史にて、野生へ入り、森と山とより自由を彫りたる者のあり候き。彼らは天蓋に隠されたる村に住み、その名は敬意と恐れとを以て囁かれ候き。これらの共同体は、いかなる図も届かざるところに根を植ゑ、切れば血を流す木の皮より庇を建て、技と、絶えず適応する必要とによりて生き残り候き。空の解き放たる前の、静かにして渦巻く気の中、その遺産は雨の約束の如く土地の上に掛かり候。

厨の卓にて、煮えたる豆の鉢は、引き裂かれたる布の一片の傍らにて冷え候。布は厚く粗く紡がれ、年月の間、膝を継ぎ、あるいは葡萄酒を拭ふために保たれ候。こぼれたる醤はその面を染み、ある印の洗ひ落としを拒むことを思ひ出させ候。豆は柔らかく土の如く、山の庭の記憶、一つの世代より次へ手にて運ばれたる種子の記憶を運び候。一口ごとに、動きの感、逃亡し、生き残り、取り戻す生の感のあり候。煮込みは室を、家にしてまた取られたる路なる香にて満たし、日ごとに作り直されたる古きものの味に候。

引き出しのどこかにて、古き染の棒は隠れ、かつて交易の毛布のために羊毛を染むるに用ひられ候き。染は木の心材より作られ、夕べの遅き時間を通じて鍋にて沸き、辛抱の何を生むかを知る手に導かれ候。各の糸は浸り、しかして綱の上に乾き、繊維は微風の中に強くなれ候。これらの毛布は、仕上がれば贈物として与へられ、塩あるいは物語と交換され、あるいは銭と煙草とにて交易する遠き旅人と取引され、その者は仕事の値を決して全く理解せず候き。

この徴の下に日へ踏み入るには、豆の鍋を点て、歴史の現在へ運ぶものを味はふことも候。古き制服あるいは布よりの継ぎは、よく愛でたる単衣を繕ふために縫はれ、布の旅の続くに任せ候。空模様のためには、変はりを示す雷を聴き、外へ踏み出で、肌の上の帯電したる気を感じ候へ。忘れたる染糸の一片を見いださば、それを守りへ捻り、懐へ置き候へ。地に着く小さき業、変はりたるものは必ずしも失はれざるといふ思ひ出に候。

今日の色は臙脂に御座候。
Lucky Color: Maroon — #800000変はるものは逃亡の記憶を保ちて新しきものとして戻り、適応の徴を静かに携へて意を以て動き候。

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