中心に踊る人は候へども、今日その足は裾に捕はれ、凱旋にて閉づべき綬の花環は割れたるままに候。結びは半ば結ばれ、物語はほとんど語られ候へども、全くには御座なく候。縁に沿ひ、見慣れたる姿は間を置き、確かならず、環を閉づる一歩を見候。このあひだの場所にて、旅する者の道は、全くは砂漠にても全くは泉地にてもなき野を、先へ伸び候。終わらざる旅の塵は薄き帳にて立ち候。その地の色は砂色に御座候。
この野は、兵がかつて渡りたる閾、靴の下の地が模様を土へ押すところに候。空気は遠き風の味にて、遠き香料の香は商人の外套より漂ひ候。ここ、行軍の上にて、布は進み続ける者の脚と腰を巻き、実用は糸の一つ一つに織られ候。胴衣、緩き単衣、褪せたる帽、果てなき乾きたる畑を映すやうに染めたる衣に候。一種の隠れとして動き、灌木と割れたる土の背景に紛られ、完成には御座なく、忍耐の耐久の約に候。
これらの境にて、朝は霞を運び、全くは日にも全くは雲にも御座なく候。天幕の上、亜麻の積みの上、兵の装備の傍に掛けられたる帆布の束の上に定まり候。いづれも頑丈なる繊維より成れ、探検の者と斥候、都あるいは前哨の縁に留まり、進む時に候といふ言の待ちの者の布に候。布は手に粗く、着くる者に思ひ出させ候。ここにて慰めは要点には御座なく、耐久に候。その起源は畑に在り、亜麻は刈られ干され、豊富なるものより長く残るものを作るを知る手により紡がれ候。
焚火の周りに語らるる物語にて、伝説はこれらの景色より育ち候。斥候の外套は塵に紛られ、夜明けに消ゆること、測量の者の手帳は布の余布に包まれ、風と砂を防ぐことに候。貴殿は聞き候。最後の河を渡り得ず、低き石に坐り、この布の一筋を結びては解き、全くは到らざる印を地平に見る旅する者のことを。この半ば終わりたる旅は、忍耐の教訓、苦みなき待ちの技と成り候。
世の縁は空には御座なく候。種は土の下に眠り、雨の来る稀なる季節、茎の立つときを待ち候。そのあひだ、景色は静かなる持続にて形づくられ候。布を織りたる手、畑を耕したる農夫、制服の当てを縫ひたる兵、いづれも支度の緩き仕事、時の正しきときのみ巡りは終わるといふ知にて結ばれ候。
この空間を尊ばんとして、貴殿は家を出づる前に頑丈なる布の長さへ掌を押し、手巾を結びて終はらざる仕事の思ひ出として運び、あるいは夜明けに貴殿の戸口の塵を掃き候へ。頑丈なる靴にて見慣れたる路を歩き、道が繰り返し、多くの足により作らるる仕方を見候へ。簡素なる穀の鍋を沸かし、静かに食し、然る後に布の巾を丁寧に畳み候へ。これらの仕草の中にて、未だ結ばれざるもののための場所を貴殿は保ち候。
今日の色は砂色に御座候。
Lucky Color: Khaki — #F0E68C環の閉づるまで糸あるいは端切れを運ぶ忍耐は、開きたる終わりの贈り物に候。