Colors for the Fool

今日の色を、牌より引く

牌を引く / 世界

世界の革色。中央の鏡に色が映る絵

革色

逆位 · #D2B48C

牌の中心にて、花環は大きなる環をなし候へども、今日それは未完に候。その結びは緩み、最後の結び目が舞の終わる直前に滑り去りたるが如くに候。隅の四つの生きもの、獅子、鷲、牡牛、人は見守り、成就とほとんどそこ、のあひだの刻に停まり候。世界は意図、儀式、閉ぢの記憶にて纏められ候。終はらざるものには美が御座候。全くは結ばれざる物語に候。

その日は実体に錨を見出だし候。控えやかなる革工房の空気の中、仕事台の上に張られたる皮は鞣され、最後の形を待つが如くに候。幾世紀の昔、こは変成の場所にて、皮はありしものより成り得るものへ変はり候き。革工房の香は残り、塩、樹皮、煙、忍耐の記憶はすべてに滲み候。さらに世の河に沿ひて遡れば、革師は削り、浸し、押し、手は定常にて、仕事は真に終わらず候き。手順は常にほとんど終はり、一片一片は約にて、全くは仕上がらざる帯、手袋、革囊に候き。このことに、牌との親族が御座候。最後の結びは開きたるままに候。その皮の色は革色に御座候。

他のところにて、物語は開きし野へ旅し、風は塵を運び、日は地を焼き候。地面は割れ、その下にて根は捻れ、長き乾季を通じて縋り候。こは待ちの季節にて、雨のため、巡りが閉づるため、地の仕事が完成するためにて候。遊牧の人はこの待ちの中を騎り、庇ひは忍耐の手の形づくりたる皮より成れ、靴は終はらざる旅にて薄く減り候。獣さへ、痩せ鋭く、帰りの直前に縋る、半ばの間の感じを知るが如くに候。

歴史は交易所と市を動き、皮は塩あるいは穀と交はされ候。市の涼しき蔭にて、商人は新たに仕上がりたる巻の柔軟なる面の上に指を走らせ、その強さを試し候。もう一枚の貨幣、もう一つの約を掛け合ひ、いづれの交はしも何かを終はらず残すこと、明日完成さるべきことを、常に了解にて候。仕事は夜明けに再び始まり候。

家にて、実用のものはこの巡りを映し候。頑丈なる布にて繕はれたる古き肘掛、その日の塵にて斑なる扉の傍の靴、革紐にて掛かる使い古したる革囊、やがて届けらるる手紙にて半ば満たされ候。台の上に冷ゆる麺麭さへ、皮は鞣したる革を思ひ出させる皮を持ち、変はりは緩く起こり、最後の一触は期待の如くには到らざるかもしれぬ思ひ出に候。

今日貴殿の手が落ち着かず候はば、減りたる靴の一足を取り、塵を払い、あるいは革紐に油を引き、再び軟らかくなるまでにし候へ。手紙を書き、未だ始まらざる旅のために、待つ袋へ滑らせ候へ。午後の光の軟らかく成るとき窓に立ち、空気が土と距離の香にて満たさるるに任せ、終はらざるものの静かなる忍耐を周りに定まらせ候へ。

今日の色は革色に御座候。
Lucky Color: Tan — #D2B48C日は閾に待ち、物語は続き、完成は結びには御座なく世話の中に候。

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