Colors for the Fool

今日の色を、牌より引く

牌を引く / 世界

世界の濃砂。中央の鏡に色が映る絵

濃砂

逆位 · #BDB76B

月桂の花環は空を拱に走り、なほ未完にて、端は空気の中に漂ひ、いつか結ぶかを知らず候。踊る人は境の地にて間を置き、開きし門を歩みて過ぐるにわずかに及ばず候。四つの隅は息を止め、躊躇ふを見、世の約は最後の結ばれざる結びのすぐ向こうに候。この刻、季節、航海、あるいは望の閉ぢは、しぶとく終はらず候。こは収穫の前の地、夜明けの零るる前の時にて、世の身は自らを集め候へども、最後の糸は貴殿の握りより滑り候。その糸の色は濃砂に御座候。

どこかにて、兵の上衣は廊下の釘に掛かり、布は褪せて頑丈にて、昨年の畑の香を伴ひ候。閲兵と塵、革囊と汗を見、常に備へ候へども全くは休まず候。同じ布より、庭師の股引は膝にて繕はれ、労働の重みにて平らに押されたる草の記憶にて筋を引き候。高地の国にて、羊飼ひは夜明けにこれらの股引を穿き、風は草を揺らし、羊は導かるるを待つて呼び候。衣は薊の擦れと天候の傾きに耐え、未だ来らざる終わりに対して定常を保ち候。

古き帝国の縁にて、風は野の鼠尾草の香と、久しく過ぎたる征旅の記憶を運び候。商人は穀の束を運び入れ、茎の一つ一つは刈られ束ねられ、殻は強靭にしぶとく、ほとんど守られたる約に候。北にて、同じ茎は粉に碾かれ、平焼きの麺麭と成り、布に包まれ、夜の前に市へ到らざるかもしれぬ旅する者のために積まれ候。遊牧の人は、葦と強き草より緊く編みたる荷を、終はらざる旅にて賢く成りたる驢馬の背へ掛け候。ここにて旅は自らへ回り、月桂にて凱旋の祝はるべき都の壁のすぐ前、門はなほ半ば開き候。

朝の霧は草原より上がり、解くることを渋り候。穀の熟るる低き畑に沿ひて静かに横たはり、茎にしぶとく着き候。これらの野にて、地は終はらざる用事の物語にて詰まり候。収穫の一日前の作物、平安より署名一つ隔たる条約、図にされ候へども石の未だ除かれざる路に候。天候は穏やかにしぶとく、真の雨へ破るることを拒み、決められざる日を越えて息を止め候。厨にて、母は晒されざる強き繊維より織りたる卓掛を撫で、手は未だ家へ帰らざる家族を集むるための模様の上を動き候。

閉ぢへの招きを延ばさんと貴殿が願ふならば、外へ出づる前に帆布の上衣へ入り、あるいは野の鼠尾草と高き草のあひだを歩き、その粗さをして、なほ終はらざるものを貴殿に思ひ出させ候へ。庭に跪き、最後の一触を要する根を世話ひ、あるいは一人にて食すとも穀を碾きて麺麭となし候へ。旅の終わる時を貴殿が確かならずとも、到るを約す手紙を書き候へ。

今日の色は濃砂に御座候。
Lucky Color: DarkKhaki — #BDB76B終わらざるものはなほ耐ゆるものに慰めを見出だし、半ば開きたる門の向こうに世は待ち候。

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