Colors for the Fool

今日の色を、牌より引く

牌を引く / 運の輪

運の輪の麦色。中央の鏡に色が映る絵

麦色

正位 · #FFF8DC

輪は巡り候。古く、急がず、軸は地の厚き心に嵌まり、時が季節を輪にするにつれ、輻は昇りては降り候。運の輪は、収めしものと播くものとのあひだを回り候。運と変りの螺旋に御座候。畑の風は、玉蜀黍の海の上の淡き房を持ち上げ候。各々の茎は、刈る者が来るまで直立し、日の中に尾を引く糸を手が集め候。これは人の手のみにて回す輪には御座なく候。記憶より古き巡りに候。月の引く潮、鳥の静かなる渡り、植ゑと収穫の緩く波打つ拍子に御座候。

内陸にて、夏の半を過ぎしばかりの時、畑は熟したる約束にて膨らみ候。農の子らは裸足にて走り、玉蜀黍の列を縫ひ、各々の穂より零るる長き絹の糸を指にて撫で候。かつて貴ばれしこの糸は集められ、厨の窓縁か、戸棚の抽斗の中にて乾かされ候。午後の遅き涼みにて、祖母は厨の卓に坐り、忍耐と手順にて糸を編み候。宥むる茶のためか、古き痛みの薬のためにて候。竈の上にて鍋は煮え、沸きたる水を麦色の糸の上へ注げば、糸は解けて浸り、八月の末の畑を囁く香にて空気を染め候。

さらに旅すれば、この糸は境と季節を横切り候。遠き市にて、玉蜀黍の糸は束ねられ、薬として出され候。健康と吉の印に御座候。高地にて、風はこれを脱穀場の上へ運び候。女らは小さき紐に撚り、薬草を結ぶか、穀物の束を纏めるために使ひ候。同じものは卵を運ぶ籠の内を張り、各々の殻の重みを和げ候。動きは続き候。草より手へ、手より家への緩き巡り、年の過ぎを印す千の静かなる用に御座候。

輪の教へは、大なる変りのみには御座なく候。この卑しく回る細部にも御座候。嵐は過ぎ、一つの畑を倒し、もう一つは残し候。刈る者は再び始め、残りたるものを集め、糸を粒より分け、運の移る時のために仕舞ひ候。古き物語にて、この糸は守に織られ、枕の下へ挿まれ、来たる収穫の夢を運ぶと信じられ候き。天候さへ聞き候。晩夏、雨の前に静けさは落ち、空気は温かく、熟れゆく穀の香に満ち候。世界が輪の次の一回りを待つが如くに御座候。

今日、貴殿は穂より糸を集め、水に浸して静まる飲となし候。あるいは乾かしし糸を幾筋か袋へ入れ、運のために身に携へ候。果物の鉢の底にこれを敷き候。あるいは小さき束を結び、抽斗に置き、巡る季節と変りの約束を静かに思ひ出す印となし候。各々の小さき仕草は輪と共に回り、巡りの中の席を印し候。

今日の色は麦色に御座候。
Lucky Color: Cornsilk — #FFF8DC運は貴殿の上を、穏かなる風にて昇り候。

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