回る輪は、ありしものと来たるものとの線の上を行き候。各々の輻は、季節の移りか運の一切れを印し候。古き市にて、運は高く積みたる果実の籠と共に回され候き。夏の熱の後にその重みを支ふる木より収めたる球、皮は窪み、橙にて光り候。輪の約束は巡りにあり候。昇り、熟し、落ち、再び集められることに候。
川の谷の割れ目に植ゑられたる林を南へ旅し、隊商はかつて、晩冬に花の香る地にて立ち止まり候き。ここにて、一つの丸き果実は賞と見做され候き。その地の生れには御座なく、船人と商人により遠き王国より運ばれ候き。物語はこの木の周りに育ち候き。測りがたき雨と日を生き抜き、日が涼しく定かならぬ時まさに、恵の頂に達することで名高きに候き。古き療す者は皮を残し、乾かして冷き手を温むる茶となすか、月の満つる時に分つ菓子の香となし候き。祭の日、一つの果実は切られ、多くの者のあひだに分たれ候き。難の後の、運の巡りと運の甘さを象り候き。
地中海を横切り、黎明に掃き清められたる瓦の厨にて、家の者は一日の最も明るき供を盛る磁器の鉢を並べ候き。一つを窓縁に置くことは、家へ吉を招くこと、輪の次の巡りが穏かならんことを望むことに候き。旅人は、この果実の商が運を形づくりし都を語り候き。船は波止場にて箱を下ろし、その香は塩の空気と遠き嵐の雲と混じり候き。香料の市にて、乾かしし皮は肉桂と丁字と混じり、風の募る時に温みのために浸すか、火の傍にて運を祝ふ祭の間、部屋に香を焚くために備へられ候き。
同じ果実は、仏蘭西の南、曲りたる川のほとりの地に名を与へ候き。その林は、川の昇りと降りと共に築かれ、また失はれし運の証として立ち候。他の地にて、その語は織物の文様と成り候き。商の取引きにて交はされし絹の紋織より、収穫の卓に広げらるる卑しき格子の布巾まで候。いづれにても、文様は丸く重き果実とその紋ある皮を響かせ候。豊かさの約束、舌の上の甘さの望に候。
嵐は来ては去り、季節もまた来ては去り候。されど今にても、皮にて運の一瞬を捉ふる仕方は御座候。朝の食事の前に、この果実の一つを剥き、鋭き香にて感覚を覚まし候。鉢にこれを盛り戸の近きに置き、回る運が貴殿の閾を恵まんことを招き候。冷かく定かならぬ夜、乾かしし皮を茶に煮、緩く啜り候。輪は止まらざることを思ひ出し候。一滴ごとに一巡りに候。一つの果実を友へ贈り、船と市の物語、変りては再び来る季節の物語を語り候。
今日の色は橙に御座候。
Lucky Color: Orange — #FFA500吉は巡りにて、皮を剥くごとに始まりは御座候。