Colors for the Fool

今日の色を、牌より引く

牌を引く / 死

死の臙脂。中央の鏡に色が映る絵

臙脂

逆位 · #800000

牌は鎧の人を抱き、馬に乗りてなほ静かにて、昇る日の縁に休らひ候。一方の手にて、騎手は曇りたる冠の周りに指を閉ぢ、踏みにじられし草と萎れし野の花のあひだの地へ、それを落とすことを肯んぜず候。司教は跪き、祈りにて動かず候。光景の後ろにて、日はちょうど地平の下に漂ひ、その光は押し候へども、なほ夜の呪を破らず候。行列は止まり候。誰も語らず、かつて高く掲げられし旗さへ、淀みし空気の中に垂れ候。これは終わりの突撃には御座なく、終わりたることを拒むものの、落ち着かぬ沈黙に候。

海と幾世紀を横切って、かつて絡みし森より切り出されし集落があり候き。旧き主人より逃げ、自らの世を築きし者により成され候き。厚き密林の空き地にて、彼らは緩き火の上に豆を焙り、香りを葦葺の家を通して漂はせ候き。物語は言ひ候。人々は森からの贈り物にて布を染め、根と樹皮を碾き、使い古したる鉄鍋にて沸きたる水を掻き混ぜ候き、と。布と頭布はその色を吸ひ、川を何度越えても消されも忘れられもせぬ歴史の印を伴ひ候き。その色は臙脂に御座候。

静かなる厨にて、重き片手鍋は竈の上に坐し、豆は一夜浸され、皮の柔らかくなり、中心の密に乳の如くなるやうに候。厨人は緩く掻き混ぜ、動くことを拒む雲に平たく押されし空を、窓の外にちらりと見候。煮込は濃くなり、暗く豊かに候。ある物語の何度も語られ、語るごとに深さと重みを加ふるやうに響く食事に候。卓の上、石榴は割れ開き、種は皿の上に散り、指先と口拭とをともに染め候。果実の味は滞り、酸く強情にて、甘さを一度にすべて譲らず候。

屋根裏と戸棚にて、天鵞絨の帽は家宝のあひだに休み、誰も記憶せぬ手に縫はれ、その襞は毎年撫でられ候へども、着られも棄てられもせず候。かかるものは、その時刻を過ぎて久しく保たれ、変はり得し年の思ひ出にて、今は儀式のみが残り候。嵐は近づき候。空気は厚くなり、濡れし土と、町の縁に停滞する雨の約束とにて香り候。戸は鳴り候へども、嵐は破れず、外の野は何も飲まず、来らざる安堵を待ち候。

今日、貴殿は外へ出で、纏ひて手放さぬ土へ靴を沈め、足元の古き何かの引きを感じ候へ。台より石榴を取り、一つずつの種を意図を以て味はひ、後に残るものに気づき候へ。家族を通して渡されし布に身を包み、親指にて縫ひ取りを辿り、解放なく集まる雷を聞き候へ。厚く丸き硝子に蝋燭を灯し、決して全くは溢れざる池の上に炎の浮かぶを見候へ。

これは、抱き続けるための日にて候。冠を部屋より部屋へ運び、暁が硝子の向こうに、主張されず終わりずに待つあひだ、窓に立つための日に候。

今日の色は臙脂に御座候。
Lucky Color: Maroon — #800000留めたる瞬間は量られ、終わりを拒むところに何かは常に抱かれ候。

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