Colors for the Fool

今日の色を、牌より引く

牌を引く / 死

死の石鼠。中央の鏡に色が映る絵

石鼠

逆位 · #708090

打たれし冠の骸骨は、骨の手にて落ち去るべきものを握り、夜と暁のあひだの戸口に立ち候。男の後ろにて、野は硬く締められし土の下に眠り、霜は畝に滞り、古き根は春の脅威に擾されず候。日出の前の沈黙にて、世は待ち候へども、男は顔を地平より背け候。新しきもののためにそれを置くより、知られしもの、かつて支配せしものを握る方が易し。谷にて、霧は石に沿ひて這ひ、幾世紀の嵐を耐へ、崩るることも譲ることも拒む粘板の屋根の上を尾を引き候。その石の色は石鼠に御座候。

高地にて、石切の者は早く起き、靴は割れし岩の破片の上に音を立て、顔は風と、山の脇より秩序を刻む日々の戦とにて線を引かれ候。彼らの槌は暁に鳴り、閾と墓のための敷石、年ごとに苔を集むる家のための丈夫なる瓦を形作り候。これらの瓦は、小家の頂に置かれ、冬の唸りと雨の遅き滴より家族を庇ひ、庇ひと強情の線を暈し候。これらの屋根の下、古き記録は美しさより耐久のために織られし類の、硬き布にて綴ぢたる帳面に保たれ候。糸の中に石切場の滞る塵を運ぶ布に候。

冷き朝、麺麭を焼く者は黒麦の麺麭の盆を窯より引き出し、その皮はそれを形作りし手の記憶を負ひ、他のほとんど栄えざる薄い土に育ちし穀に候。味は密にて執拗にて、艱苦と忍耐より生まれし養ひに候。炉にて、藥罐は坐し、打たれ頼られ、その表面は年月の使用にて印され、柄は温かく候へども焼くほどには熱からず候。沸きたる水の音は、石の上の雨の音と混じり、待ちそのものと同じ古さの調子に候。

荒野に沿ふ旅人は、雲の降りるを見、空気は変はりをもたらすかも、もたらさぬかも知れぬ別の日の約束にて厚く候。霧は接骨木の枝を包み、それぞれの幹は地衣の下に埋められし忘れられし誓ひと秘密の証人に候。牧人は石の柵に寄り、父の道の磨耗せし模様を辿り、古き隙間を繕ふか、広がるに任すかを考へ候。割れし粘板に縁取られし庭にて、薊は割れ目を押し抜け、その強情なる頭は冷えにもかかはらず開き、他の何も耐へざるときに耐へるものの証に候。

終わりをなし終へざる重みを運ぶ人は、最初の光の前に起き、風雨に晒されし屋根に沿ひて手を走らせ、切り出されし石の忍耐を感じ候。別の者は、古き帳面の重みの下に押されし紙に手紙を書き、手放す用意のなほなきものを告白する言葉を記し候。誰かは朝の霧の中に荒野を歩き、変はりを知らせる遠き鳥の呼びを聞き、あるいは密き一塊を焼き、残るものの慰めを味はひつつ、別の者とそれを割り候。これらの小さき行ひのそれぞれは、抱くことと手放すこととの両方を尊び、日との静かなる会話に候。

今日の色は石鼠に御座候。
Lucky Color: SlateGray — #708090暁の隠れ候ときは貴殿の掌の下の堅きものを信じ、忍耐は石ごとに歌はれ候。

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