Colors for the Fool

今日の色を、牌より引く

牌を引く / 審判

審判の金。中央の鏡に色が映る絵

金

正位 · #FFD700

雲の上にて角笛は鳴り、音は澄みて揺らがず候。新たに開きたる棺の横たはる地へ呼び声は拡がり、待つ人々は立ち候。こは惑ひの刻には御座なく、確かなる刻に御座候。久しく待たれたる到着の重みを、空気は運び候。眠りと目覚めのあひだにて、人はそれぞれ骨と息にてその召しを感じ、呼び声の方へ立ち上り候。かく呼ばるることは、欠かせぬものを思ひ出し、大きなる展開の真中に立つことに御座候。

角笛の呼び声は所と時の境を越え、山の窪と川の谷に響き候。冷き流れが小石の上を走るところにて、人は貴きものを求めて根気よく砂を掬ひ、手は痺れ候へども望は捨てず候。地そのものも岩を出し、正しき光にては変はりを約し、求むる者の新しき始まりと成り候。古の都の市にて、その小さき石は君侯の顔を押したる円盤と成り、手より手へ渡り候き。これらの貨幣は麺麭と宿を買ひ候へども、願をも運び、儀式にて交はされ、守りのために仕舞はれ候き。帝国と遠き村のあひだの路にて、商人は灯の下にそれを数へ、旅したる距離の一つ一つを静かなる決意にて印し候き。

遠き王国にて、神話と野心は絡み合ひ候き。昼も夜も守られたる金羊毛は、勇敢なる者、あるいは狡き者の手に入れば権威を与ふ、といはれ候き。丁寧に打たれ、稀なる石を嵌めたる冠は、君主の額を囲むために作られ候き。権力の印にして、継続の約に御座候。錬金の工房にて、炉の輝きに望は揺らぎ、卑金属は掻き混ぜられ、見守られ候き。空気は野心と秘密の匂ひにて濃く候き。祭の日には、家族は特別の麺麭を焼き、小さき驚きを中に仕込み、それを見出だしたる者の許へ運が来ると信じ候き。

自然は角笛の歌に、己が仕方にて応へ候。風雨の後、日の戻りたるとき、麦の畑はすべて宝に変はりたる如く煌めき、穂の一本一本が細き約と成り候。その輝きは金に御座候。午後遅く、窓の硝子は一日の最後の温みを薄暗き室へ返し、古き家具と家の形見を柔き輝きにて浴びせ候。静かなる礼拝堂にて、燭台は番兵の如く立ち、小さき炎は壁に踊る模様を投げ候。暗き季節のいづれをも、光は耐え抜くといふ思ひ出に御座候。

家々はこの明るさを、様々の形にて集め候。代々の手にて滑らかに減りたる大切なる指輪は木の箱に坐り、その面はかつて言はれたる誓を囁き候。旅より残したる一枚の貨幣、あるいは誕生を印すために与へられたる一枚は、手紙と写真のあひだに隠れ、無言の記憶として御座候。瓶より朝の粥や茶へ掬はれたる蜂蜜は、最初の光にて金に輝き、来たるべきものを甘くし候。遠き畑にて、風化したる鎌は納屋の壁に掛かり、刃は日の道筋を辿りつつ、次の刈りを待ち候。

日々の静かさの中にて、小さき行ひは呼び声を生かして置き候。指輪を貴殿の指へ通し、その約を思ひ出し候へ。愛しき者へ分かつために、隠したる菓子を仕込みて麺麭を焼き候へ。黄昏に卓の上へ蝋燭を置き、その炎を見るために間を置き候へ。戸口を過ぐるたびに古き貨幣へ触れて運を乞ひ、その重さをして、なほ待ち候旅のすべてを思ひ出させ候へ。

今日の色は金に御座候。
Lucky Color: Gold — #FFD700内に待ち候ものを呼び声は目覚めさせ、光の中へ進ませ候。

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