地の上にて角笛は響き、澄みて急に候。その音は雲を転がり、重き木の箱の中にて沈黙し、動かず横たはりたる者を起こし候。蓋は横へ滑り候。凛として冷き空気は、この呼びを待ちたる顔の上を駆け、今や上を向く顔を過ぎ候。この刻は優しくは御座なく候へども、残酷には御座なく候。単に必要なることに候。目的への最後の呼び戻し、眠りより決意への移りに御座候。この新しき光の中にて、世は見慣れて、かつ全く変はり候。その明るさは象牙に御座候。
この起きの刻より、響きは空のみならず、代と大陸を越え候。遠き場所にて、角笛の呼びは、硬く淡き面を打つ工匠の道具の音に合ひ候。滑らかなる牙を、細き櫛へ、あるいは愛用の小刀の柄へ形づくることに候。この仕事には重み、永続の感じが御座候。商人の集ひたる古の市にて、かかる品は手より手へ渡り、長き河、日向の群れ、材料を鋼琴の鍵と将棋の駒へ刻む者の静かなる忍耐の物語を運び候き。仕上がりたる品の一つ一つは、長く稀なるものの約にて輝き、技と忍耐と、内に隠れたるものを起こす値の証に候き。
古き家の静かなる室にて、角笛の再生は、亜麻布のあひだに丁寧に保たれたる婚礼の衣の、丸き鈕の輝きに映り候。これらの宝は杉の櫃に休まり、滑らかなる面は、誓の日の前にそれを留めたる丁寧なる指の記憶を保ち候。室には沈黙が御座候。角笛の呼びが布そのものを掃き、古き物語を今へ立てと呼ぶが如くに候。これらの品の在ること、刻まれたる小像、象嵌の箱、鋼琴の手の下の鍵は、変はりが大なるのみには御座なく、小さき儀式の中へも定まり得ることを思ひ出させ候。その艶の中に、変はりの優しき確かさと、呼びに応へるに要る勇気を見候。
天候もこの刻を近くへ運び候。霧が都を覆ふ朝が御座候。羊毛の如く厚く、音をすべて和らげ候。窓と街灯に着き、見慣れたる角を優しき謎へ変へ候。人はこの静かさの中へ出で、長き眠りの後に世へ戻り入るが如くに候。霞はゆっくりと上がり、上がるにつれて新しき形は出で候。尖塔、隣の人の伸ばしたる腕、先の道に候。この静かさの中にて、新たに始むる可能は、角笛の最初の音と同じく手に取る如くに候。
今日、貴殿は古き形見を箱より取り、手に持ち、その滑らかさをして技と伝統を思ひ出させ候へ。指のあひだに涼しく堅き筆にて書くために間を置き、あるいは朝の麺麭のために、繊細なる彫刻の縁ある皿を選び候へ。天候が霧を運ぶならば、空の澄む前にしばし静かに歩き、貴殿を起きよと呼ぶものを聴き候へ。
今日の色は象牙に御座候。
Lucky Color: Ivory — #FFFFF0思ひがけぬ場所に澄みたる答へは待ち、その日の明るき始まりは貴殿を導き候。