Colors for the Fool

今日の色を、牌より引く

牌を引く / 節制

節制の濃桜。中央の鏡に色が映る絵

濃桜

逆位 · #FF69B4

節制の天使は、片足を地に、片足を流るる流れに置きて立ち候。正位にて、その手は一つの器よりもう一つの器へ水を注ぎ、静かに正確に御座候。されど今日、器は傾き、水は弧を描きて外へ、縁を過ぎてこぼれ、地へ浸み候。注意深き交換は失はれ、川は水晶に収められず候。近くの卓、杯を置くべきところに、一輪の椿が御座候。豊かにしてほとんど大胆にて、花弁は外へ巻かれ、拙き風へ開き候。

神話にて、椿は憧れまたは約束の印に御座候き。東亜細亜の古き庭より運ばれ、海を越えて交易され、維多利亜の温室に落ちつき候き。最も寒々しき月を通して、その花は硝子の室を赤らめ候き。花弁は、一度開けば閉じず、蕾へ押し戻されず候。花の心は常に展示され候。こぼれたるものは、こぼさざる前へ戻せず、ある甘みは静かに隠し得ずと、思ひ出させ候。

町の市にて、窓を砂糖漬けの薔薇の花弁と、釉をかけたる苺とにて冠されたる菓子にて縁取る、菓子職が御座候。硝子の円蓋の下、霜をかけたる一本の焼菓子が立ち、その衣は艶ありて厚顔に御座候。祝ひのために買はれ候。誕生日、謝罪、和解に御座候。均衡の滑るとき、烈しさを飢ゆるさま、食欲の逃れられぬ劇を現し候。菓子職は肩をすくめ、空が横に雨を降らすほど荒く見ゆる日にのみ、この菓子を作ると認め候。風の募るとき、砂糖は指先に附き、笑ひは通りへ漏れ候。

さらに沿ひて、絹の肩掛が旅人の袋の紐に結ばれ、空気にひらひらと候。肩掛は、馬拉喀什の市にて買はれ、かつて茶を商ふ人の注意を引き候き。その店は硝子の鍋と、彩りたる罐とにて混み候き。祭の季節、太鼓が人を夜へ呼び、花弁が踊る人の上に降るとき、女はかかる肩掛を着ると言ひ候き。布は、御し難く、長く平らに押されず、その模様は危きの物語を語り候き。外へ出づること、場所を主張することに御座候。

昔、ある天候が蒙大拿の平原を掃き候き。雷雲は吼え、異常なる嵐にて、雹は打ち下り、屋根を凹ませ、小麦を平らに押し候き。空の晴れたるとき、子どもは外へ急ぎ、畑に打たれたる茎の散り、説明し難く、近くの婚儀の芍薬の花弁が風に捕はれ、戸枠と車の風防硝子とに貼り付きたるを見出だし候き。翌日、町の人は片づけのために集ひ候き。されどある人は、花弁の落ちたるところにて乾かせ、常の秩序の崩るるとき、明るきものがその場所を取る物語、乱れの中の不思議なる美を見候き。

節制の逆位の印の下、卓に椿の花を出すことは助け候。その存在は、不完全がそれ自身の恵みの形に候と、貴殿に思ひ出させ候。貴殿は均衡より厚顔さにて選ばれたる菓子を食し、舌にて甘みを辿り、乱れを憂へず候。御し難く大胆なる肩掛を、手首または袋に結び、歩くにつれて動かさせ、思ひがけぬものへの開きの印とす候。嵐が貴殿の町を揺るがすならば、安きとき外へ出て、残りたるもの、花弁、きらめきを見出だし、自らに驚かせ候。

今日の色は濃桜に御座候。
Lucky Color: HotPink — #FF69B4こぼれは真の祝ひへ導き、転げ出づるものは貴殿の飾りと成り候。

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