Colors for the Fool

今日の色を、牌より引く

牌を引く / 戦車

戦車の鞍茶。中央の鏡に色が映る絵

鞍茶

逆位 · #8B4513

軍車に繋がれたる二頭の馬は、かつて塵の道に待ち、頭は互ひより背けられ、鼻孔は広く、蹄は落ち着かず候き。御者は鎧ひ候へども確かならず、手綱を緩め候き。前の道は轍にて傷つき、彼の前の多くの過ぎにて刻まれ、遠くの町は午後の遅き熱の中に揺らめき候き。古き車は、勝利と行列のために建てられ、今は目的の褪せるにつれ不均等に揺れ候き。明らかなる方向は保たれず候き。車輪は、車輪は回らねばならぬゆゑにのみ転び候き。獣は強く、凱旋のために育てられ、一致を忘れ、互ひに引き合ひ候き。風の上のそれぞれの香が異なる約を囁くが如くに候き。

古き物語にて、騎手は砂丘と野生の川の土地を抜けて交易の道を辿り、征服、あるいは家への安全なる通行を求め候き。馬具は年の汗と天候にて滑らかに擦られ、動きごとに軋み、それ自体のためになされたる旅の思ひ出に候き。旅の商人は革の袋に品を運び候き。冷き夕、蝋燭の灯にて縫はれ、荷は皮と遠き火の香を帯び候き。鞍は騎手の身体に手にて形作られ、獣に近く圧し候。獣と人の会ひ、意図と動きの会ひに候。されども摩擦、辛抱、制御の会ひにも候。智き者はこれらの道具を世話し、雨季と塵の嵐に油を引き、日々の注意なくしては旅は滞ると知り候き。

辺境の地理にて、騎馬の人は泥の川の渡に待ち、馬具は雨水と時にて重く候き。古き駅の宿の厩にて、旅の人は腹帯と革紐を確かめ、辛抱との静かなる取引をなし、手はよく擦れたる轡の一つ一つの感を覚え候き。世界が直き道を出すことを拒むとき、獣が合意を拒むとき、人は間に合はせるを学び候き。農夫は灯の下に馬具を繕ひ、一針一針は望の小さき行ひに候き。牧人は風の丘の頂に足を止め、地平を見、雨水は蝋を引きたる上衣と鞍の荷の上に筋を辿り候き。旅は唯一の確かさと成り候き。行き先は御座なく、着実にして地に着きたる動きの拍子のみに候き。

家の心にて、代々の用ひにて曲がれる椅子は炉の傍らに立ち候き。彷徨ひより戻りし者に休息を供へ、手と旅の跡は滑らかなる肘掛の一つ一つに刻まれ候き。卓にて、麺麭は裂かれて開かれ、皮は畑と収穫を語る豊かさまで焼かれ候き。子どもの長靴は底厚く頑丈に、次の短き冒険のために戸の傍らに待ち候き。工人の錐と槌は壁に垂れ、次の繕ひのために常に用意に候き。耐久と動きのために形作られたる物を通じて、終わりなき旅の精神は、方向の失はれたるときさへ、静かに生き続け候き。

今日、貴殿は好ましき靴の一対に油を引き、知れるあらゆる歩道と道を覚ゆるもよく候。貴殿はよく用ひたる袋を繕ひ、かつて見えざるやうに感じたる縫ひ目を強めるもよく候。最も古き椅子に坐り、掌をその腕に沿ひて走らせ、そこに休みしすべての者の物語を辿るもよく候。厚き土鍋にて食を煮、時と辛抱が一口一口に道を見出すに任すもよく候。

今日の色は鞍茶に御座候。
Lucky Color: SaddleBrown — #8B4513巡りて戻る輪の中にて、貴殿の下の擦れたる道は信じられ候。

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