Colors for the Fool

今日の色を、牌より引く

牌を引く / 戦車

戦車の茶。中央の鏡に色が映る絵

茶

逆位 · #A52A2A

二頭の獣に引かれたる戦車は、各自が自らの方向へ力み、十字路にてよろめき候。車輪は地の深くを碾き、前へには御座なく、その場にて候。轍そのものが旅となれるが如くに候。御者の手は革の帯を握り、年の汗にて割れ柔らかくなり候。されども手綱は命令を供へず候。獣は空気を嗅ぎ、泥を掻き、従はず、鼻孔は乾きたる穀と川の塵にて斑に候。下の地は、あまりに多くの足を見たる畑に候。平らにされ、豊かにて、攪され候。かつて小麦と根菜を出したる同じ地面が、今は踏み荒らされ、確かならず候。

別に、古き物語は、自らの畝に迷ひたる耕人を語り候。重き埴の色の空の下、畑を巡り候き。長靴は昨年の収穫と今朝の雨にて固まり、彼を新しきところへは運ばず候き。彼は牛小屋の牛の低く鳴くこと、柱に当たる馬の落ち着かざること、熱き灰の中に馬鈴薯の回る炉の遠き音に耳を澄まし候き。まはりに、過ぎの印が御座候き。戸の傍らに垂るる農夫の帽、冬の仕事にて硬く候。木の椅子の傍らに残されたる杯、十年の朝の珈琲にて染まり候。柵の上に投げられたる外套、湿りと煙の香にて重く候。

道そのものは、森と牧を抜けて巻き、皮を剥がれ涼しき空気に乾く切られたる材木の積にて縁取られ候。荷車は過ぎるにつれ軋み、それぞれが収穫の重みを担ひ候。豆の袋、蜜の瓶、古き木の根の近くに集められたる茸の籠に候。これは動きのための動きの仕方に候。粘土に成る轍、芝に圧されたる長靴、丸太に休む旅の人のあひだ、あるいは火にて暗くなりたる麺麭の切を分かつあひだに交はさるる物語に候。彼らは広き谷を渡りし商人を語り候。旅は耕されたる畑の香と、土に当たる雨の音にて印され候き。

家の内にて、厨の卓は夕餐の残りにて散らされ候。麺麭の塊、粗く皮厚く候。柄の年の手にて暗くなりたる小刀に候。胡桃の木より彫られたる椀、季の最後の実にて満たされ候。外の庭にて、芋の列は盛りたる土の下に待ち、世界の上にて回るあひだ辛抱に候。鋤は小屋に凭れ、刃は小石と時にて鈍くなり、明日の掘り、あるいは今日の目的なき芝の持ち上げの用意に候。世界は巡りにて回り候。種子より収穫へ、暁より黄昏へ、問ひより問ひへ候。そのあひだ戦車の車輪は回り候。されども前へには進まず候。

貴殿が日の横へ滑るを感ずれば、外へ出で、雨の後の土の香を見出すまで歩き候へ。古き長靴の一対を結び、同じ道を今一度辿り、それらが一歩一歩をより重く、より心を込めしものにするかに気づき候へ。根菜を幾らか熾の中に焙り、甘さの深まるに任せ、開くにつれ湯気の立つを見候へ。丸太の上、あるいは木の卓に坐り、強き珈琲の杯に留まり候へ。これらは、静けさを着実さへ深めさせ、自らに回る旅の中に休息を見出す仕方に候。

今日の色は茶に御座候。
Lucky Color: Brown — #A52A2A畑はあらゆる足跡を覚え、根は道のさうならざるときさへ固く抱き候。

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