牌の中央にて、二つの姿が坐り、枷は足首の周りに緩く候。室の沈黙に気づかざるやうに見え、あるいはそれを味はひ、場所に留まり続けるが如くに御座候。鎖を着ることの行ひが、今は束縛より習慣に御座候。その下の床は、地下の室の古き石にて、素足の下に滑らかにして冷たく、掃き清めらるるも塵をまったく除かれず候。空気は、誰かがたった今通り過ぐるが如く動き候。されど誰も見えず候。存在のかつてありしところ、息の微かなる跡のみが残り候。今や脅威は御座なく候。壁の角ある影は褪せ、それとともに劇的なる苦闘の多くも褪せ候。残るのは、解放に続く静かにしてほとんど清浄なる空虚に御座候。平和と取り違へらるか、否認と取り違へらるかする静けさに御座候。
この空間にて、心は不在を在りと同じく印すものへ転じ候。真夜中の後、卓に置かれたる古き骨灰の磁器、その釉は囁きの如く薄く候。廊下の端の触られざる磁器の鉢は、天井よりの柔らかき滴を捕へるために置かれ、古き家の秘密の天候の番人に御座候。幅木に沿ひて塵は育ち、窓硝子の霜の如く集ひ、音と時とを包む優しき帷に御座候。化粧台の上に、糊にて張り畳まれたる手巾が、それに手を伸ばすことも伸ばさざることもある手を待ち候。これらは、長く空にされたる病室のもの、決して着かざる客のために整えられたる客間のものに御座候。庭さえ、夜明けに同じ静けさを示し候。夜に咲く茉莉は、蒼白き指にて格子に附き、酔ひて見られず、生垣の先の川より霧の巻き入るあひだに御座候。
山の村にて言はれ候。霧は祖先の息にて、夜明けに土より昇ると。かつて石灰岩の崖の下を流浪したる羊飼は、覆ひの中に見られず動く羊の鈴に耳を澄まし、静かに踏み、忘れられたるものと残るものとのあひだの帷の薄きを知り候き。ある岸の町にて、漁師は夜明け前の時、灯にて網を繕ひ、まだ現されざるすべての静けさに囲まれ、手はほとんど記憶にて働き候。古き大聖堂にて、聖者と天使との大理石の臥像は塵を集め、顔は数世紀にて和らぎ、開きたる腕はもはや警告にて鋭くは御座なく優しく、生ける者を休みへ招く身振りの如くに御座候。
風雨にさらされたる墓石は教会の庭に立ち、名と年とはほとんど消され候。されど石の一つ一つは注意深く世話され候。苔は掃き除かれ、百合は残され、淡く香しく、供へに御座候。仕事は手順正しく、敬ひあり、穏やかに御座候。はるかに北の地にて、重き雪の夜の後、子どもは日の出に外へ歩き、世界の消され、再び思ひ描く支度のありたるを見出だし候。その足跡は、新しき日の最初の印にて、秘密の如く静かに御座候。
この日を尊びたきならば、貴殿は客の期待されずとも最良の卓布を敷くか、夜明けの直前に窓を開き、なほ静かな空気に顔を触れさせるかに御座候。好みの上衣を注意して畳み、見えざる皺の一つ一つを伸ばすか、記憶の中に主に存在する誰かへ文を書き、引き出しに置き、封じて安くするかに御座候。
今日の色は幽白に御座候。
Lucky Color: GhostWhite — #F8F8FF鎖は解け、朝は静かに御座候。