Colors for the Fool

今日の色を、牌より引く

牌を引く / 悪魔

悪魔の白緑。中央の鏡に色が映る絵

白緑

逆位 · #F5FFFA

重き枷の一対が卓の上に坐り、木に涼しく、錠は開いて天井を向き候。今や日のあひだそこに横たはり、鈍き金属は塵を集め候。室は静かにて、台所の窓より滑り込む風の最も微かなる囁きのみ候。閾の先に野生に育つものの香を携へ候。逆位の牌にて、鎖は消えず候。されどその荷は移り候。かつて縛りしものは今や飾り、かつて恐れさせしものは今や和ぎ候。

外にて、薄荷の葉は古き石の道の割れを押し上げ、強情にして招かれず、なほ同じやうに栄え候。年月前、祖母の庭はその列を注意深く世話し、甘き麺麭の生地へ小枝を押し、朝の滋養のために潰し、台所の空気に乾すために梁より束を掛け候き。今、庭はほとんど草に覆ひ尽くされ候。されど薄荷は残り候。低く這ふ存在にて、その執念にて見慣れず、過ぐる誰にてもその香を差し出し候。見落とし易く候。特に、割れより昇るものを無視することに慣れたるときに御座候。されど静かなる時、その存在は否認されず候。

食料庫にて、土器の瓶は乳脂を保ち、朝の乳より濃くなり候。涼しき棚に休み、牛酪と乾酪とが手にて作られ、乳脂が特別の折のために取って置かれたる、古き交易の記憶に御座候。ほとんど記憶されざる伝統が御座候。この乳脂へ、ちぎれる薄荷の葉の最も小さき一握りを浸すことに御座候。忍耐強き掻き、待ち、葉の苦みのより柔らかきものへ道を譲る待ちに御座候。縁の取らるることに御座候。これは食欲または耽溺の鎖には御座なく候。常のものを静かに非凡なるものへ転ずること、優しさを通して解放の可能な証、古きやり方が枷と成る要なきことに御座候。

これらの早き時の天候は、触るるすべてのものを和らぐる霧の覆ひに御座候。果樹園を帷に包み、音を鈍らせ候。霧は忍耐し、果樹園の草のすぐ上に留まり、開きたる窓へ漂ひ候。立ち止まること、通常は注目に値せざるものに気づくことへの招きに御座候。息の遅き渦、遠き牛の鈴の響、後に残されたるものの静かなる執念に御座候。かかる天候にて、人は外へ出て、世界が新たに作られ、意志さへあれば鎖は手首よりまったく滑り得ると、ほとんど信じ候。

古き亜麻の布巾は、注意深き縫ひにて小さき茎と葉とを刺繍され、空きし枷と並んで卓の上に畳まれて坐り候。朝餉に常にそこにあって、乳脂の滴と麺麭の迷へる屑とを捕へ候。布巾はところにより薄く摩るるも、年月の使ひより薄荷と粉との香を保ち、この家にて働き休みたる手の、布の記憶に御座候。小さきものに御座候。されど布巾を広げ、膝の上に滑らかにすることは、解放の儀式を行ふこと、荷と飾りとの両方なるものを受け、一日だけにても単純さの中の自由を選ぶことに御座候。

今日、人は道より薄荷の一枝を収穫し、亜麻の畳みのあひだに圧すか、浸したる乳脂の匙を朝の珈琲へ掻き入れ、過ぎたる庭の記憶を招くかに御座候。人は霧の中へ外に出て、それを眉に落ちつかせ、昨日の縛りの優しき消去とするか、あるいは静けさの中に坐り、手を卓に休め、もはや閉ぢざる枷の重さを感じるかに御座候。

今日の色は白緑に御座候。
Lucky Color: MintCream — #F5FFFA自由は最も小さき常の物より始まり、鎖は朝のあひだだけにても脇へ置き候。

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