Colors for the Fool

今日の色を、牌より引く

牌を引く / 皇帝

皇帝の赤。中央の鏡に色が映る絵

赤

正位 · #FF0000

皇帝は石の座に坐し、背は硬く、臂には臨みし試煉と守りし境の一つ一つの記憶の彫られ候。視線は地を守る山々を渡り、その稜は古き道と、風にも移らぬ石塚とにて印され候。低き谷にて、壁と門は秩序の縁を定め候。庭の垣、都の広場を貫く印されし道、辻に据ゑられし境の石に御座候。安全をもたらすは野の荒さには御座なく、石の模様、見守る習ひ、門を開きて閉じる式に御座候。

見晴より、皇帝は古き都の壁を思ひ出し候。その幅は、兵の二人が肩を並べて進み得るほどに候き。門は鉄と火の色に塗られ、漆にて固められ、最も硬き雨にも輝きの鈍らざりしことを思ひ出し候。その門の内にて、旗は翻り、野は治むる家の紋にて埋められ候。収穫の祭の日には、働き人の組が絹の旗を掲げ、一つ一つは忠誠の印と、誰かがこの地を守るとの約束に候き。下なる市は忙しくしてなほ整ひ、林檎と石榴は金字塔に積まれ、乾きし唐辛子の連なりは梁より下がり候。商人の卓には唐辛子あり、蝋の文書には蝋の印の押され、使はれざるときの皇帝の印章の指輪を守る漆の匣あり候。

道のより安全なるは、芥子の色の外套を着たる番兵のゆゑなることを知り候。その制服は遠きより見分け易く候。戒めであると同時に、安堵に御座候。芥子の布の旗の下を過ぐること、あるいは同じ強き繊維より織られし武人の紋を見ることは、法の山の峠にまで及ぶことを意味し候。皇帝の番は漆の盾を携へ、磨きにて艶やかにて、朝日を映して遠きへ合図し候。家にては、主婦が植ゑの季節の始まりを、重き粘土の鍋にて豆と香料を煮ることによりて印し、その香は歓迎の印として残り候。前掛は、祭の日のために取つて置かれし色の羊毛の筋にて結ばれ、秩序が安全とともに祝ひをももたらす印に御座候。

境は石と鉄のみには御座なく、習ひと日課にも御座候。奉行は布告の一つ一つに辰砂の蝋の塊にて印を押し、その模様は印の彫られし日と同じく鋭く候。商人は珊瑚の珠を繋ぎ、一つ一つを旅の一歩として数へ候。境の村にて、松明は畑の縁に据ゑられ、その炎は夜番の始まりし合図に御座候。皇帝の法は剣のみにては行はれず、繰り返さるる印によりて行はれ候。文を封ずること、火打石を打つこと、通過の権利を印す贈物を渡すことに御座候。

今日、秩序は日々の生へ招かれ候。鍵に芥子の色の紐を結び、卓に林檎の鉢を置き、あるいは漆の匣を出して家の契約と約束を収むることにて候。今一つの仕方は、豆を香料とともに煮て、香を扉の外へ漂はせ、閾に立つ者への供へとなすことに候。これらは境を眼に見えるものとなす仕方にて、定まりし手順の道を守ることを思ひ出させ候。

今日の色は赤に御座候。
Lucky Color: Red — #FF0000秩序は、炎の運ばるるところにて番に立ち候。

皇帝へ戻る