古き聖所にて、柱は数知れぬ式の静なる証人の如く立ち候。彫りし杖と重き書とは祭壇の上にあり、一つ一つは権威と知との印にて浮き彫りにせられ候。されど今日、祭司は馴染みの仕草を確信なく辿り候。言葉は響けど、その意味は滑り出で、開けたる窓より漂ひ出づる香の如くに候。会衆は幾代によりて磨かれし長椅子に坐し、注意は式自らより、手の下の木の木目の方に多く定まり候。
石の壁の向ふにて、市は日々の生の日課にて生き候。屋台は粗き布より織りし日覆にて覆はれ、固く張られて真昼の熱を遮り候。粉と大麦の袋は基に寄せて積まれ、古き家と商ひとの名にて印され候。これらの材料、革、皮、帆布は、表立ったる華やぎを持たず候へども、耐へ、過ぎゆく季節に削られ候。広場の縁にて、靴屋の前掛は年月の扱ひによりて柔らかく成り、用によりて滑らかに磨かれし道具の傍らに掛り候。
土地の物語は、空しき儀式に疲れし師のことを語り、常なるものの中に清明を求め候き。助言を求めて来たりし者のための食事を調へる年月によりて縁の丸く成りし、良く用ひられし俎板の表面に、これを見出し候き。昨季の小麦の茎より編まれし戸口の筵の模様より、忍耐の手近なるものより築かるることを学び候き。刈りの後の収穫の畑は静かにて、藁の束は動物の寝床のため、あるいは閾より塵を掃くために結ばれ候。何ものも費やさず、されど何ものも飾らず候。
乾きし高地の道に沿ふ旅人は、仮の枠の上に張られし帆布の下に身を避け候。この覆ひは、長き用より継がれて染み、式の方には少なく、慰めの方には多くを供し候。家にて、織りし麻の帳が戸口に掛り、粗き糸は光と風とを濾し候。価高き織物の場所を取れども、耐へ、儀式がその場所を失ひしところにて覆ひと秘との仕事をなし候。
逆位の式の中の智は、大なる見せ物の中には御座なく、日々の生を形づくる仕草の繰り返しの中に見出され候。動物の皮の表紙の帳面が、大工の卓の隅にあり、覚えと寸法とにて満たされ候。黄昏に、子どもは厚き木の板の上にて冷ゆる塊の周りに集まり、皮はこれを形づくりし手によりて印され候。世界はかかるものによりて結ばれ候。式にては御座なく、静かに、繰り返し行はれ、自らの意味を保つまでの仕事に候。
今日、ある者は藁の箒にて段を掃き、石の上に立てる音に聴き候。裂けし袋を繕ひ、窓の光によりて頑丈なる布に針を通し候。調理法を新しき頁に写し、紙は手の下にて厚く、あるいは乾きし草の束を廊下のために結び候。仕事の一つ一つは、かくも久しくこれを保ちし形へ意味を戻し候。
今日の色は革色に御座候。
Lucky Color: Tan — #D2B48C謙なる日課は、精神を新たにし候。