太陽は高く乗り、すべての混乱を脱ぎ、庭は目覚め候。より古き牌にて、馬上の童は剣も盾も携へず、広げたる腕と信頼とを携へ、温もりの戻りたることを知り候。背後にて、石垣はもはや境として立ちはだからず、柔らかく輝き、暗きと風とよりの庇を定め候。日の照らしは苛酷にあらず、抱くがごとく、朝の静かな厨の静けさのごとく、物の輪郭は穏かな明瞭へ戻され候。
厨の卓の向ふにて、海綿のやうに軽き菓子の一切れが皿の上に坐り、砂糖をまぶされ、雲のごとく軽く、外皮の香を織り込まれ候。春の日に焼かれ、それは日照を屑の間へ招く種類の菓子に御座候。かつて、維多利亜の世の客間にて、薄絹のやうな菓子は、その食感のために珍重され、気のごとく軽くして弾力あり、最初の主人の震ふ手にても清く切れるやうに作られ候き。薄絹は、菓子と同じ家の中の布にて、かつて巴里の帽子と花嫁の面紗との裏をなし、窓を濾したる日を受け、額と目との上に繊細なる明るさを投げ候き。菓子と布との両方にて、軽さの抱擁が御座候。重みの不在にあらず、その変はりにて、供へに御座候。その明るさは淡黄に御座候。
他の土地にて、西西里の南の斜面の林にて、収穫の者は古く棘ある樹より果実を摘み候。果実は皮が柔らかく、日にかざすとき瓢はほとんど透き通り候。市はかつて、藁と絹とを敷きたる籠を携ふる商人にて賑はひ、果実の一つ一つは海峡を越ゆる旅のために、より貴く候き。神話にて、印として与へられたる一つの果実は、安全なる通過あるいは新しき始まりを意味し候き。日の明るさはそれぞれの皮の内に休み、果皮の蜜煮あるいは飲料の中へ放たれるを待ち、あるいはただ切られて分たれ候。その果実は檸檬に御座候。
壁と庭との彼方にて、六月の初めのある朝が御座候。気そのものが柔らかさの衣を着候。空は空白にあらず、帳を掛けられ候。高き細き雲の覆ひを通じて拡散する光が、川の顔と、草を食む牛の背とを明るくし候。かかる朝、世界は新たに作られたるやうに感ぜられ、縁は穏やかに、すべての面は静かな濾されたる輝きに触れられ候。風は古き薄絹より縫はれたる帷を攪拌り、布は流れの一つ一つとともに上がり、望の息を入れ候。
今日、誰かは海綿のやうに軽き菓子を切り、開きたる窓の傍らにて食べ、屑を、古き面紗と同じ布にて縫はれたる巾の上へ落とすことも候。もう一人は果実の皮を剥き、皮を卓の上に巻くに任せ、その香が室を満たし、日の最初の温もりと混じることに御座候。かの六月の空の下にて文あるいは好む書を開き、影より戻されたる言の輪郭を辿るにも良き瞬間に御座候。あるいはただ、上げたる帷を朝の気の過ぐるに任せ、新たにされたる世界を吸ひ候へ。
今日の色は淡黄に御座候。
Lucky Color: LemonChiffon — #FFFACD光の戻した静かな境を認めるとき、手の内の柔かきものは皆目覚め居り候。